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学生時代にハードカバーの「ローマ人の物語」を初めて読んでから、はや13年。やっと完結です。一つの文明の誕生から死まで通して読める「物語」。これまでを振り返るといろいろと感慨深いです。どちらかというと虚しさが残りますけどね。

ローマ人の物語(41) - ローマ世界の終焉(上)

ローマ人の物語(42) - ローマ世界の終焉(中)

ローマ人の物語(43) - ローマ世界の終焉(下)


上巻冒頭の著者の言葉:
 人材は、興隆期にだけ現れるのではない。衰退期にも現れる。しかもその人材の質は、興隆期には優れ衰退期には劣るわけではないのだ。興隆期と衰退期の人材面での唯一のちがいは、興隆期には活用されたのに衰退期に入ると活用されない、ということだけである。/ ゆえに亡国の悲劇とは、活用されずに死ぬしかなかった多くの人材の悲劇、と言ってもよいと思う。

「ローマ人の物語」の最終巻はこれに尽きるなあと思いました。スティリコは時代が違えばカエサル並みの偉業を達成したであったろうに…。優れた才能の現れる確率は時代や場所を超えて一定だろうから、運悪い時代・場所に生まれ活用されない状況がほとんどと思うと、なんだか非常にやるせなくなります。飢餓にあえいで優れた才能の持ち主も生き延びれない最貧国、太陽エネルギーをほとんど活用できていない現代技術、戦国時代なら活躍できたんだろうなあと思われるKYな会社員などなどいろいろ考えさせられます。

■新潮文庫版「ローマ人の物語」一覧
(1) ローマは一日にして成らず(上) [2002-05-31-1]
(2) ローマは一日にして成らず(下)
(3) ハンニバル戦記(上) [2002-08-01-3]
(4) ハンニバル戦記(中)
(5) ハンニバル戦記(下)
(6) 勝者の混迷(上) [2002-09-30-4]
(7) 勝者の混迷(下)
(8) ユリウス・カエサル ルビコン以前(上) [2004-09-03-1]
(9) ユリウス・カエサル ルビコン以前(中)
(10) ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)
(11) ユリウス・カエサル ルビコン以後(上) [2004-10-05-5]
(12) ユリウス・カエサル ルビコン以後(中) [2004-10-07-4]
(13) ユリウス・カエサル ルビコン以後(下) [2004-10-08-3]
(14) パクス・ロマーナ(上) [2004-11-28-4]
(15) パクス・ロマーナ(中)
(16) パクス・ロマーナ(下)
(17) 悪名高き皇帝たち(一) [2005-09-11-2]
(18) 悪名高き皇帝たち(ニ)
(19) 悪名高き皇帝たち(三)
(20) 悪名高き皇帝たち(四)
(21) 危機と克服(上) [2005-12-07-4]
(22) 危機と克服(中)
(23) 危機と克服(下)
(24) 賢帝の世紀(上) [2006-09-07-2]
(25) 賢帝の世紀(中) [2006-09-09-3]
(26) 賢帝の世紀(下) [2006-09-10-2]
(27) すべての道はローマに通ず(上) [2006-11-13-2]
(28) すべての道はローマに通ず(下)
(29) 終わりの始まり(上) [2007-08-29-4]
(30) 終わりの始まり(中)
(31) 終わりの始まり(下)
(32) 迷走する帝国(上) [2008-09-08-2]
(33) 迷走する帝国(中) [2008-09-13-2]
(34) 迷走する帝国(下) [2008-09-17-1]
(35) 最後の努力(上) [2010-02-06-3]
(36) 最後の努力(中)
(37) 最後の努力(下)
(38) キリストの勝利(上) [2010-09-10-2]
(39) キリストの勝利(中)
(40) キリストの勝利(下)
(41) ローマ世界の終焉(上) [2011-09-29-2]
(42) ローマ世界の終焉(中)
(43) ローマ世界の終焉(下)