たつをの ChangeLog : 2006-03-21

茂木健一郎 / 脳の中の人生 / 中公新書ラクレ


もともと「読売ウイークリー」の連載がベース。
ということで、気軽に読めるエッセイ集になっています。
いろいろ示唆に富んでて面白いです。

とりあえず今日は二点だけ紹介:

まずは、脳の手入れについて。脳も臓器だし健康に気を配るのは大切。
意識的にできるのは、手入れをして、あとは脳の自然な生命力に任せること
だけなのである。(p.20)
例えば意識でコントロールできるのは、ある本を読むか読まないかという
選択。てなわけで、
良い本を読むこと。これは一つの手入れである。[...] そのような手入れ
を受けて、私たちの脳の中の生命力が働きはじめる。その結果、思いもし
なかったような新しい発見が生まれる。だからこそ、脳の手入れは面白い。
読もう、読もう、良著を読もう!

それから、脳がいつひらめくか、という話。
私たちのグループの研究で、脳がいつ「ひらめく」のか、どうやら本当に
予測できないらしいということが明らかになった。(p.202)
こんな実験をしたらしい:
よくよく見ると木漏れ日の中を歩く犬だと分かる白黒の絵を見せて「正解
(何が描かれているか)」が分かるまでの時間を測定した結果、短時間で
解答できない場合は「正解」が分かるまでの時間が予想できないことが分
かった。
数学者は、同じ問題を10年、20年と考え続けるという。「ひらめく」のに、
それだけの長い時間がかかることもある。「ひらめき」を強制することは
できない。制限時間なしのスローなプロセスを大切にして、はじめて創造
性が育まれるのである。
という結論。スロー重要!

追記: この本について別記事で書いたもの。
- [を] 他人に注意することの喜び[2006-05-30-6]
- [を] 科学離れとわかりやすさの追求[2006-05-21-1]

俺の職場は大学キャンパス:ハーバード大学の基金運用担当者
<http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50158024.html>
米国の大学でも飛び抜けて巨額の基金を持つハーバード大学の場合、その
運用額は2005年6月の時点でなんと259億ドル。およそ2兆9785億円です。
慶應義塾大学の100倍ですね。
いやあ、なんというか、資金が必要な研究では何をどうやっても勝てそう
もない気がしますね。

しかしこの記事のポイントはここではなく、基金を運用していた腕のいい
ファンドマネージャー、ジャック・メイヤー氏。
NIKKEI NETの記事によれば、ハーバード大学基金を、1990年の47億ドルか
ら226億ドルに拡大させたとのこと。1兆円以上の超過リターンを稼ぎ出し
たのですから、大変な運用成績です。
[...]
こうした運用担当者の報酬は、基本的に「成果報酬」です。[...]
基金の運用を担当する責任者数人の年収が、なんと数十億円にも達してい
たそうです。

日本でもアメリカでも、基本的に大学は非営利組織ですから、この高額な
報酬に対して、批判が寄せられました。

そして結局、ジャック・メイヤー氏は辞任することになったのです。

妄想:
1. メイヤー氏がやめたときは絶好調で実はバブルっぽい資産であった。
2. やめてしばらくすると暴落。資金が急減でピンチ!
3. メイヤー氏の名声アップ!

メイヤー氏、「うまいところで逃げることができた」と思ってるかも、
と思いなが読み進めるとこんな話が。こういうのって、過去の実績は
あてにならない、なんてことも言われてたりしますが、どうなるんだろー。

- 「米ハーバード大学基金の元責任者がヘッジファンド設立(2/3)」
  (英フィナンシャル・タイムズ特約:NIKKEI NET掲載)
  <http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/
  20060203NTE2IFT0503022006.html
>

育児板拾い読み@2ch: 彼氏に知っておいてほしい女の事情
<http://ikuzi.seesaa.net/article/15151294.html>
515 名前: 恋人は名無しさん 2006/02/13(月) 08:29:59
私だけなんだろうか。
月一でやたらと粘着系喧嘩屋になる。
鬱陶しいほどに絡む。自分でも蛇女みたいだと思うが
止められない。しかも涙腺崩壊。
言い負かさないと気がすまない上に卑屈だから更に鬱陶しいことになる。

そういう時は放置して下さい。
どんな短い返事でも言葉尻をあげつらうので
相槌だけにしておいて下さい。
(『ふーん』『そう』など。『そうだね』とかになると、もう激昂)

516 名前: 恋人は名無しさん 2006/02/13(月) 08:34:19
>>515
おまいは俺の彼女か
俺に誤れ

517 名前: 恋人は名無しさん 2006/02/13(月) 08:41:56
>>515
月一ってほど頻繁には粘着しないけど、気持ちは激同。
そうだね、とか言われると腹立つ。
ふむふむ。難しいですね。
この記事に言及しているこのブログ内の記事

すごい人たちの中で上を目指してがんばるよりも、
今の能力で世の中に貢献できることをやった方が良い。

- 「鶏口となるも牛後となるなかれ」ということわざがある。
  前者(すごい人たちの中で…)が「牛後」、
  後者(今の能力で…)が「鶏口」、というのがこの記事の趣旨。

- もちろん、鶏口だからといって自分の成長をあきらめるわけではなく、
  マイペースで。どんなスタンスだろうと、それをあきらめたらおしまい。

- 新卒で可能だったら牛後は良いかも。すごく勉強になると思う。しかし、
  「高速道路で走ってるところに、のんびり走ってる車がいたら迷惑だ」
  という実力主義の厳しい現状もある。(この本が参考になるそう。)

- 「鶏口牛後」というよりも単に「適所適材」って話かも。
  自分が何を目指してるかに拠る。

- そもそも鶏口か牛後か以前に一番だめなのが
  「働き甲斐のない環境の中でやる気をなくしている」状態。
  抜け出そう。

- 追記060223: ちょっと分かりにくくてすいません。
  牛=Google、とすると意図したところが伝わるでしょうか。
  田舎の神童が都会へ出ると、みたいな話です。
  (ref. 開成高校の凄み <http://www.geocities.jp/donnrightwing1945/
   005kaiseikoukounosugomi.html
>)

- 追記060223: 牛口を目指すなら牛後からよりも鶏口から。
  鶏を牛に育てあげてもいいし、鶏から牛に移動してもいいし。
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