本書のテーマは、これら金が余っていたころに作られた情報革命のルールが、これから金が干上がっていくとき、どう変わっていくのかを見定めることにある。(p.8)
無料文化は小さい枠で考えればネットでの動員とそれに対する広告を、大きい枠で考えればネットやIT業界に対する過剰期待を背景にしたバブル経済そのものである。(p.11)
いま私たちが直面し、湯水のように消費し始めた情報通信のリソースが、仮にひとつまみ、適正とされるコストをサービス・コンテンツ業者側がインフラ側に支払う方向へシフトしてしまったらどうなるだろう。(p.12)といった感じです。
情報化社会は、自分が知りたい、知らなければならない情報にアクセスできる効果的な手段は用意してくれた。だが、知るべき情報量そのものを増やした結果、自分が知らない情報や、知らない分野で判断に迫られたときに、必ずしも求めるべき正しい回答を与えてくれる社会になったとはいえない。
(p.89)