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緑のブログでおなじみの切込隊長こと山本一郎氏の著書。
ちょうど一年前に出た本。

山本一郎 / 情報革命バブルの崩壊


まず、「まえがき」からいくつか。
本書のテーマは、これら金が余っていたころに作られた情報革命のルールが、これから金が干上がっていくとき、どう変わっていくのかを見定めることにある。(p.8)
無料文化は小さい枠で考えればネットでの動員とそれに対する広告を、大きい枠で考えればネットやIT業界に対する過剰期待を背景にしたバブル経済そのものである。(p.11)
いま私たちが直面し、湯水のように消費し始めた情報通信のリソースが、仮にひとつまみ、適正とされるコストをサービス・コンテンツ業者側がインフラ側に支払う方向へシフトしてしまったらどうなるだろう。(p.12)
といった感じです。

第一章は、新聞とネットについて。
コンテンツの価値は失われていない。新聞社は読者の関心が分かっていない。Yahoo!などに安く出しすぎ。
というわけで、安価に売るのをやめ、読者の関心に注意を払い、新聞記事にお金を払う層をきちんと確保しよう!との主張。
まあ、そうだろうけど、私はほうっておけば勝手に需要供給がマッチする状況になると思っているので、楽観的です。って、この前も書いたな(ref. [2009-09-22-2])。投資家視点じゃないので気楽。

第二章で取り上げられてた、ネット上のクチコミマーケティングでのスパムとかサクラとかヤラセとかの問題。これは確かに大きな問題なんだけど、ネット以前の世界と同じように「自分が信頼できる人しか信じない」で解決するかと(難しいけどな)。リアル知り合い以外のそういう「信頼できる人」を探す方法の模索が課題。
ささいなことで炎上させられる話もそうだけど、ネット上のものを無条件で信じないというリテラシーが重要ですね。ネット上に限らずだけど、ネットだと怪しいことがやりやすいからね。
情報化社会は、自分が知りたい、知らなければならない情報にアクセスできる効果的な手段は用意してくれた。だが、知るべき情報量そのものを増やした結果、自分が知らない情報や、知らない分野で判断に迫られたときに、必ずしも求めるべき正しい回答を与えてくれる社会になったとはいえない。
(p.89)

第四章のソフトバンクの話はある意味すごくワクワクしますね。
ワクワクというよりもヒヤヒヤドキッチョな感じですが。

メモ:
- ヤフーのトップバナーを1週間押さえるのには2000万前後。