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NHKスペシャル「ヒューマン なぜ人間になれたのか」の視聴メモ。
2012年1月29日(日)放送の「第2集 グレートジャーニーの果てに」。

  • NHKスペシャル|ヒューマン なぜ人間になれたのか
    http://www.nhk.or.jp/special/onair/human.html
  • NHKスペシャル|ヒューマン なぜ人間になれたのか 第2集 グレートジャーニーの果てに
    http://www.nhk.or.jp/special/onair/120129.html
    6万年前にアフリカを離れ世界へ広がり始めた人類。グレートジャーニーと呼ばれるその旅は、大きな苦難の連続だった。世界は凍てつく氷期の真っただ中。熱帯生まれの我々ホモ・サピエンスにはあまりに過酷な環境だった。しかも行き着いた先にはすでに別の人類がいた。そのひとつがヨーロッパなど北方で進化したネアンデルタール人だ。屈強な体を持ち、狩りの名手だったこのライバルと祖先たちは生存競争を強いられる。身体的に圧倒的な不利な状況を優位に導いたのが、投擲具という人類最古の飛び道具だ。離れた位置から獲物を倒す技術が狩猟方法を革新し、ネアンデルタール人を駆逐していく。その力は人類の集団のあり方にも影響を与えた。罪を犯した者を罰する道具として使うことで、規律を強化し、そのサイズを数千人の規模にまで拡大させたのだ。集団の拡大は、道具を生み出す能力を飛躍的に向上させる原因となっていく。しかし一方、飛び道具の登場は果てしのない暴力の連鎖も引き起こした。その根幹にあるのは皮肉にも、人類に本能として備わっている「仲間を大切に思う心」にあったのだ。
    第2回は投擲具という道具を軸に、規律心の進化と攻撃性の制御という現代にまで続く宿命に迫る。

§

6万年前、アフリカから新しい世界へ。

イスラエル北部にあるカルメル山。
アフリカから北へ向かった人類の通過点。
アフリカの外での最も古い人類(ホモ・サピエンス)の骨がある。

なぜ人類は故郷を離れたのか?
→人口増加。
人類以外の霊長類は出産間隔が長い(オラウータン8年など)。
母乳を与える期間が長いため。
人類は工夫で離乳を早めた(離乳食)。
そのため次の妊娠が早くできるようになり、人口が増えた。

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人類がアフリカから出始めたこと、大きな気候変動。氷期。平均気温6度低下。
北にいた生物が南に移動。
人類の協力なライバルとなるネアンデルタール人も。

人類とネアンデルタール人の違い。
ネアンデルタール人は体が頑丈でとても力が強い。
成人するとみんなレスラーみたいになる(今ネアンデルタール人がいればオリンピックで金メダル総なめ)。
知能の差はほとんどない。
人類と同じような石器を作ったりする。
カルメル山らへんまで南下してきてアフリカから出てきた人類とぶつかる。

人類は槍を勢いよく投げるための画期的な道具「投擲具」を発明。
ウサギ等のすばしっこい小さい動物を狩ることができるようになる。
この道具こそが人類成功の鍵。

とれる獲物の種類を増え、勢いづいた人類はネアンデルタール人を押し戻すように北上。
この後、1万年に渡ってヨーロッパで勢力争いがくりひろげられる。

なぜネアンデルタール人は飛び道具を使わなかったのか?
力技で狩りができるので必要性を感じなかったから、というのが有力な説。

§

80年前の映像、アボリジニが投擲具(ウーメラ)を使っている。
いろいろな目的で使う。木を削ったり、火を起こしたり。

アボリジニがオーストラリアにやってきた5万年前。
当時は今は絶滅した巨大な生物がいた。
100kg を超す動物が 19種類もいる巨獣の楽園。
しかし1万年後には巨獣の9割が絶滅。
ウーメラの効率性。

そして人類は投擲具を狩りだけでなく人間に対して使うように。
ルールを破ったものに罰を与えるため。
優れた狩りの道具から集団の結束を強める道具へ。
そして、人の心を変える道具でもあった。

オフィスのセルフサービスコーヒー。
お金を払わない人も。
壁に「人の目」の写真を貼ると、払う人は7倍に。
人の目を気にする。
それはルール破り、集団の結束に敏感ということ。
投擲具による人の心の変化の一つ。

§

投擲具による人の心の変化が人類を思いがけない次元へ。

アメリカ先住民の集会場、ホープウェル(希望の泉)。
年に数回、多いときで数千人集まっていた。
なぜこんなに多くの人が集まるようになったのか?
その原動力は投擲具(アトラトル)だった。

ホープウェルは土塁で囲まれている。
その土塁の上で複数の治安官が囲むように監視。
アトラトルで広場全体の平和と秩序を保つ(乱すやつは攻撃)。

投擲具を威嚇の道具として使うことで、大集団を維持できるようになった。

霊長類の集団単位。
ゴリラ、35匹。
チンパンジー、65匹。
人類は150人(一緒に儀式などを行う緊密なネットワークは150人)。
それ以上集まると様々なトラブルが起こる。
投擲具のおかげでルールと罰で対処でき大きなネットワークが可能!

大きなネットワークで情報の共有ができる。
新しい知識・道具がどんどん広まる。

ネアンデルタール人はその間、昔のままの道具を使い続ける。
そしてジリ貧。
人類におされて徐々に数を減らし、消えた。

§

人類の飛躍に飛び道具が大きな力になったのは確かだが、それは一種のパンドラの箱。
人類の生き方を変えるやっかいなものになった。

9千年前には南極以外に人類が広がる場所はなくなっている。
争いを避けようにもフロンティアのない時代に。

狩猟ではなく集団維持ではなく、集団同士の争いの道具となる。

人類の脳には争いをエスカレートさせる仕組みがある。
他人の痛みに反応し不快を感じるもととなる場所「鳥皮質」。
イギリスでのある実験。
女が男をビンタする映像を見せると「鳥皮質」が反応する。
しかし、事前に「この男人のは彼女にひどいことをしたんです。これは罰なんです。」と伝えてから映像を見せると、快楽を得たときに活動する場所「側坐核」が反応する。

なぜこのような仕組みがあるのか?
→集団で生きてきたから。
仲間に罰を与えるときに躊躇しないように脳に快楽を与えるように進化。
これがあだとなり争いを激しいものにしてしまいがち。

NHKスペシャル取材班 / ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか


最近のテレビ視聴メモ


■NHKスペシャル「ヒューマン」:
- [を] NHKスペシャル「ヒューマン なぜ人間になれたのか - 第1集 旅はアフリカからはじまった」の視聴メモ[2012-01-28-1]

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- [を] 地球ドラマチック「サメの肌から大発明〜高性能材料が世界を変える〜」の視聴メモ[2011-12-03-2]
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■その他:
- [を] NHKスペシャル「アレルギーを治せ!」の視聴メモ[2011-11-22-1]
- [を] NHKスペシャル「アフリカンドリーム」の視聴メモ[2010-06-06-1]