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仕掛学の「仕掛け」って、デザイン思考とかと同じで、基本的には「とんち」による問題解決。
しかし確固としたポリシーによる定義がある。
定義があるから「学」になるんですよね。
「なるほど」な事例がたくさんでおもしろいです。

松村真宏 / 仕掛学 - 人を動かすアイデアのつくり方 [Kindle版]

「ついしたくなる」にはシカケがある。
スタンフォード大学の講義でも用いられている、日本発のフレームワーク、仕掛学【Shikakeology】。

押してダメなら引いてみな。一言で言うとこれが仕掛けの極意です。
人に動いてほしいときは無理やり動かそうとするのではなく、自ら進んで動きたくなるような仕掛けをつくればよいのです。
ただ、言う は易し行うは難し。そのような仕掛けのつくり方はこれまで誰も考えてきませんでした。
本書では仕掛けの事例を分析し、体系化。
「ついしたくなる」仕掛けのアイデアのつくり方についてご紹介します。

「仕掛け」とは「行動を変えるきっかけになるもの」。
心のエンジンのスタートボタンを押すようなものですね。

身近な整理整頓一つとっても、線を引いたり、バスケットゴールを設置したり、ぬいぐるみを使ったり、足跡を使うなどさまざまなアプローチがある。
このような行動を変えるきっかけになるものを本書では「仕掛け」と呼んでいる。
無理やり行動を変えさせようとするのではなく、つい行動を変えたくなるように仕向けるのである。

きっかけそのものではなく「結果として」達成されるというのが重要。
ゴミ箱の上にバスケットボールがあるからゴミを投げ入れたくなって結果として整理整頓となる、という感じ。

もともと何もなかったところに新たな行動の選択肢を追加しているだけなので、最初の期待から下がることはない。どの行動を選んでも自ら選んだ行動なので、騙されたと思って不快に思うこともない。つまり、仕掛けは誰の期待を下げることもなく問題を解決することができる方法になる。
仕掛けは装置によって問題解決をはかるのではなく、人々の行動を変えることで問題解決をはかる。この発想の転換が仕掛けの肝であり、装置中心アプローチの視点を行動中心アプローチの視点に変えることで新しいアプローチが見えてくる。

うまい仕掛け=トンチによる解決、ですよね、やっぱり。

行動と解決する問題の関係が一見すると無関係に見えるときほどうまい仕掛けになる。このような仕掛けの性質を「仕掛けの副作用性★8」と呼んでいる。

なお、「仕掛け」のちゃんとした定義については本書でしっかり述べられているのでそちらをどうぞ。

目次:
  • 世界は「仕掛け」にあふれている
  • 序章 「ついしたくなる」には仕掛けがある
    • 天王寺動物園の筒
    • 行動で問題を解決する
    • 思わず整理整頓したくなる方法
    • 人の行動を変える奥義
    • 狙いたくなる便器の的
    • 良い仕掛けと悪い仕掛け
    • 仕掛けを定義する3つの要件
    • 仕掛けが活躍する場所
  • 1章 仕掛けの基本
    • 行動の選択肢を増やす
    • 行動を上手に誘導する
    • 結果的に問題を解決する
    • 強い仕掛けと弱い仕掛け
    • インパクトはいずれ薄れる
    • 行動中心アプローチ
    • 仕掛けもどきに注意
    • 正論が効かないときの処方箋
  • 2章 仕掛けの仕組み
    • 仕掛けの原理
    • 仕掛けの構成要素
      • [大分類]物理的トリガ/心理的トリガ
      • [中分類]フィードバック
      • [小分類]聴覚/触覚/嗅覚/味覚/視覚
      • [中分類]フィードフォワード
      • [小分類]アナロジー/アフォーダンス
      • [中分類]個人的文脈
      • [小分類]挑戦/不協和/ネガティブな期待/ポジティブな期待/報酬/自己承認
      • [中分類]社会的文脈
      • [小分類]被視感/社会規範/社会的証明
    • トリガの組み合わせ
  • 3章 仕掛けの発想法
    • 仕掛けを見つける方法
    • 要素の列挙と組み合わせ
    • 仕掛け事例を転用する
    • 行動の類似性を利用する
    • 仕掛けの原理を利用する
    • オズボーンのチェックリスト
    • 一方ロシアは鉛筆を使った
    • 考案した仕掛けの例
  • おわりに
  • 参考文献