【読書感想文】コンピュータが小説を書く日 --AI作家に「賞」は取れるか
2017-08-29-2
[BookReview]
■佐藤 理史 / コンピュータが小説を書く日 --AI作家に「賞」は取れるか
佐藤理史先生によるコンピュータによる小説生成の話。人工知能な分野ではあるのですが、今はやりのディープラーニングみたいに「えいやっ」とやるのではなく、伝統的な(?) 用意周到なシステム構築に基づくものです。
物語の構造、文章の構造、文の構造へと分解していき、それぞれの設計図にしたがって小説を生成する。表現や語彙のバリエーションはがんばって用意する。非常にざっくり言うとそんな感じなのですが、ちゃんと破綻の無い小説になってるので楽しいです。
単体の文だけでなくなめらかな文のつながりも考慮した文章生成システムってずっと作りたいと思いつつも大変そうだと手を出してませんでしたが、この本を見ると手を出さなくて正解でした。これは大変すぎる。
あとこんな記述がありました。
2016年3月21日、東京都内での「星新一賞への応募報告会」。コンピュータを利用して作成した作品の応募が11件、そのうち代表者が報告会に出席した2つのプロジェクトからそれぞれ2編あり、少なくとも1編が一次選考を通過したと主催者側から報告された。「囲碁の次は小説?」「作家もうかうかしていられない」マスコミが速報し、反響は広く海外にまで及んだ。人工知能が小説を「書いた」?-今回のプロジェクトを発端からクールに精緻に振り返り、日本語で文章を紡ぐことの複雑さを痛感し、AIと創作の関係にまで思いをはせた貴重なメイキングの記録。
佐藤理史先生によるコンピュータによる小説生成の話。人工知能な分野ではあるのですが、今はやりのディープラーニングみたいに「えいやっ」とやるのではなく、伝統的な(?) 用意周到なシステム構築に基づくものです。
物語の構造、文章の構造、文の構造へと分解していき、それぞれの設計図にしたがって小説を生成する。表現や語彙のバリエーションはがんばって用意する。非常にざっくり言うとそんな感じなのですが、ちゃんと破綻の無い小説になってるので楽しいです。
単体の文だけでなくなめらかな文のつながりも考慮した文章生成システムってずっと作りたいと思いつつも大変そうだと手を出してませんでしたが、この本を見ると手を出さなくて正解でした。これは大変すぎる。
あとこんな記述がありました。
大学教員に付随する仕事の中で、私が最も嫌いな仕事のひとつは、学生の論文に赤を入れることです。あまりに辛いので、必ず、結城浩さんの『数学文章作法 基礎編』と『数学文章作法 推敲編』を読んでもらうことにして、この2冊を読んでいない学生の原稿には赤を入れないと宣言しました。未読なので読まねば。
どうしてこの2冊を読んでほしいかというと、文章を書くのには作法があり、かつ、技術が必要だということを学んでほしいからです。[...]
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