古い記事
ランダムジャンプ
新しい記事
Kindle で読みました。
今年読むべき本 No.1。
モノのロングテールだ!
革命だ! 革命だ! 革命だ!

クリス・ アンダーソン / MAKERS - 21世紀の産業革命が始まる [Kindle版]

先進国の製造業の未来がここにある。
デジタルによる革命は、これからが本番だ--

ベストセラー『フリー』『ロングテール』を超える衝撃!
今日の起業家は、オープンソースのデザインと3Dプリンタを使って製造業をデスクトップ上で展開している。カスタム製造とDIYによる製品デザインや開発を武器に、ガレージでもの作りに励む何百万人というメイカーズ(モノ作る人々)が、いま、再び世界の産業構造を変えようとしている。
世界規模で進行する<メイカームーブメント>を決定づける一冊!

大量供給品だけの時代から、それに加えてユーザーの要求に合ったニッチ商品も容易に入手できる時代に。そんな内容です。

その中で印象深かった2つの変革。

一つはDIY革命。
なぜ今なのか。それは時代が追いついたから。
自分で作って楽しむだけでなく、作ったものを個人で比較的簡単に世に広められる時代になってきた。それだけでなく、設計図の入手や改善点フィードバックそして資金調達までもがネットで可能に。ウェブで起きたことがリアルのもの作りの世界にも起こった。
そして、3Dプリンタなどの工作機械が安価になってきて、個人で簡単に導入・利用できるようになったこと。ニッチな製品が自作可能に。そして小規模なカスタマイズ製品の製造販売も可能に。
子供のころの「あれが作れたらいいなあ」「この部品欲しいなあ」という要望がかなう世の中に今現在移行中なわけで、なんだかすごくわくわく。まずは、安価な3Dプリンターの普及が楽しみだなあ。

もう一つはオートメーションの進歩、ロボット工場(ロボットを作る工場ではなくロボットが作る工場)の台頭。
オートメーションの進歩・拡大により多品種少量生産の工場ではロボットの比重が高くなり、人件費が無視できるレベルになる。先進国が海外へ安い労働力を求める流れが急激にゆるやかになる可能性がある。先進国のもの作りがこの先生きのこる道筋であり、日本もこうなってほしいなあ。

というわけで、非常に刺激的な本でした。
近未来をのぞきみる感覚でぜひ読んでみてください。
文句なくオススメ。

目次:
第一部 革命

第1章 発明革命

・僕がメイカーになるまで
・ジーン、セックス・ピストルズ、インディーズの始まり

第2章 新産業革命 - ウェブ世代がリアルワールドに目を向けるとき。

・団結するメイカーズ
・もの作りは国家の基本
・DIY製造業
・スプリンクラー、ふたたび
・そのほかすべてのものに

第3章 未来の歴史 - マンチェスターとイギリスの家内工業に起きたことは世界を変えた。それは再び世界を変えるだろう。

・革命がもたらすもの
・第二次産業革命
・第三次産業革命?
・マンチェスターの過去と未来

第4章 ぼくらはみんなデザイナー - だれでも上手にデザインできる時代がやってきた。

・「デスクトップ」がすべてを変える
・DIYデザイン

第5章 モノのロングテール - 大量生産品に飽きて自分だけのものが欲しくなったら?

・破壊的なデザイン
・工業化された手作り品
・幸福の経済学
・モノはデジタルな情報になる
・モノの世界をリミックスする
・スモールバッチ

第二部 未来

第6章 変革のツール - 3Dプリンタは、なんでも生み出す魔法の杖になる。

・デスクトップ工房 四種の神器
・ただ軸が三つになっただけ
・ホームブリュー・プリンティング・グラブ
・ゲートウェイ・ドラッグ
・リアリティ・キャプチャ

第7章 オープンハードウェア - 顧客が製品開発を手伝った上にお金まで払ってくれる?そう、ビットを与えれば、アトムが売れる。

・クリス・アンダーソン流「家内工業」
・メイカーから100万ドル企業へ
・黒字にしよう。そんなに難しいことじゃない
・オープンデザインの力
・コミュニティの作り方
・堀のない城
・模造者を味方につけるには

第8章 巨大産業を作りかえる - 自動車産業は、製造業の中の製造業。もしこの巨大産業を変えることができるなら、なんだって変えられる。

・20世紀の発明家の物語
・メイカーズの自動車作り
・あらゆるパーツのデザインコンテスト
・いままでの日曜大工とどこが違うの?
・デトロイトの西(ふたたび)

第9章 オープン・オーガニゼーション - もの作りの革新は会社組織の革新から。

・ぜったいCEOになりそうもない人
・ジョイの法則は正しい:オープンな製造モデル
・オープンなサプライチェーン
・メイカー企業は雇用を創出できるか?
・地の利を比べる
・メイカー的工場

第10章 メイカーたちの資金調達 - 製造の終わりと販売の始まりの境界線はどこにあるのだろう?メイカー市場には、境界など存在しない。

・裏ベンチャーキャピタル
・メイカーvs.多国籍企業
・資金調達の未来
・社会資本
・なんちゃって銀行
・お金の賭かった人気投票
・工業化された手作り品

第11章 メイカービジネス - 趣味を本物のビジネスに。

・志高き愛好家
・レゴのロングテール
・アトムとビットの究極の組み合わせ

第12章 クラウド・ファクトリー - もの作りがオンライン化すると、すべてが変わる。

・ロケットサイエンス
・開けゴマ
・DIY工場

第13章 DIYバイオロジー - メイカーの究極の夢、それはプログラムできる物質を作ること。自然の造形物はみなそうだ。

・プログラムできる素材
・DNAを使ったもの作り

エピローグ 工業世界の未来の姿

付録 二一世紀の工作室