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山田真哉 / 「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い - 禁じられた数字〈下〉


上巻である
食い逃げされてもバイトは雇うな - 禁じられた数字〈上〉
[2007-11-22-3]は、
内容がとっても初心者にやさしい感じで、
少々物足りなかったのですが、
この下巻は読んでてプラスになる部分が増えています。

第二章の「計画信仰」の話が考えさせられました。
ビジネスの世界では、きっちりと計画を立てて、その通りに収益をあげ、
成長をしていくことの重要性が近年増しているとのこと。
確かにいろんな会社の決算やそのニュースを見てても
そういう視点が多いですね。
で、この章ではケーススタディとして、
計画よりも1億円も利益が多くなってしまった会社が、
なんとかして使い切る策を探す話がありました。
計画を下回るのはもってのほかだけど、
上回ってしまうのも「計画が甘い」「計画作成能力がない」
ということで良くないのです。
毎年右肩上がりになだらかに利益が増えていく計画を立て、
それにあわせて利益を調整し、継続的な成長を演出して、
株主にアピールするわけです。
ある年だけ儲けが出すぎると次の年が面倒なのです。
儲けすぎたらなんとかして利益を減らすことにがんばらなければならない、
というのはちょっとつらそう。不毛な気もします。
それを考えると、
京都に移転する某ウェブ系企業のように、
上場を目指さず、株の大部分を自分たちで持つという戦略は、
自由のためには必要なのですねえ。
社長があれだけフリーダムでいられるのも、
レールに乗った計画にこだわらないでいられるからかな。

§

「数字にだまされるな!」的な話に興味があって、
もっとつっこんだ話が読みたい人は、この本だけじゃなく、
行動経済学がらみの本を読むと良いんじゃないかなと思います。
個人的にはこの本が面白かったです[2004-02-22-3]

ゲーリー・ベルスキー、トーマス・ギロヴィッチ / 人はなぜお金で失敗するのか


かくいう私も、
「行動経済学系の面白そうな本」で未読なのがいろいろあるので、
じわじわ読んでいきたいです。
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