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先日献本していただいた「BEST SOFTWARE WRITING」[2008-02-28-5]
まだ読み終わらないうちに次の本を献本して頂きました。
翔泳社さん、ありがとうございます!!!
で、こちらを先に読了したのでご紹介。

Joel Spolsky (著), 青木靖 (訳) / ソフトウェア開発者採用ガイド


Joel Spolsky の「Joel on Hiring」[2007-01-29-4]
日本語で読みたかったので翻訳を待っていたのです!

これは、「優れたIT技術者」を雇いたい人のための本ではありますが、
もしあなたが雇う側ではないIT技術者でもこの本から
得ることがいろいろあります。つかたくさんあります。
例えば、どういう会社に転職すべきか…、とかとか。

まず、第一章は、
優れた技術者を雇うことが理にかなっているかという話。
大学の授業でのプログラミング課題を対象にした
かかった時間と質(テストを通るか)の調査を紹介しています。
詳細は本書を読んでもらうとして、結論は、
「仕事のクオリティと費やされた時間との間には相関はない」
ということ。
要するにできるできないの個人差が大きいのです。
プログラムを書いたことがある人なら誰でも
分かっていることだけど、数値で示してあり納得。
他所で使おっと。
で、優秀な人(最高のプログラマとか)を選んで雇い、
最高のソフトウェアを作り、市場で勝ち残り、
収益をゲットしましょう!と。

じゃあ、そのような優れた開発者を見つけるには?
というのが第二章。
かいつまんで説明すると、
優れた人々は求人マーケットには現れないので、
カンファレンスなどに出向いたり、
インターン(タダ働きではないよ)として様子をみたり、
技術コミュニティを運営したりして探すのが良い、と。
社員による推薦は、微妙な点があるとのことで
オススメされていないです。詳細は読んでね。

第三章は、働く場所、ワークスペースの話。
ピープルウェア[2003-08-28-2]が参照されてます。
ピープルウエアは良著なので未読な人はぜひ。環境第一!
それはそうと、この章で一番重要な箇所はここ!:
基本的に、頭の良い人を雇おうとするなら、
彼らがその能力を仕事に適用できるようにしてやる必要がある。
マネージャはアドバイスできるし、自由にそうしてかまわないが、
その「アドバイス」が命令として受け取られないよう、
細心の注意を払う必要がある。それはテクニカルな問題は
どんなものであれ、マネージャは現場の作業者ほどには
問題を理解していないからである、
優れた人を雇っている場合には特にそうなのだ。 (p.54)

第四章は、履歴書をどう見るか、という話。
履歴書を書く側にも参考になるかも。

第五章は、電話での面接の話。日本ではどうでしょう。

第六章は「採用面接ゲリラガイド」。
Face to Face の面接について。
なんというか、これは肝ですよねえ。
「良い候補者を落とすほうが、まずい候補者を採用するよりもずっとまし」
というのが全体を通した考え方。ごもっとも。
ネットでも読めるのでまずはこれを読んでみては?
つか必読。本書を買わなくてもこれだけは読んで!
- 採用面接ゲリラガイド(version 3.0)
まあ、「ジョエル・オン・ソフトウェア」[2006-02-11-3]
ででも読めるんですけどね。
メモ的にプログラマの面接で使う典型的なプラン(p.99)を
引用しておきます:
1. イントロダクション
2. 候補者がやった最近のプロジェクトについての質問
3. 簡単なプログラミングの質問
4. ポインタ/再帰の質問
5. 答えに満足しているか?
6. 質問は?

第七章は、既存のアレげなチームを引き継いでなんとかする
という話。
パフォーマンス測定とインセンティブの導入はよくないと、
などなど。

で、付録にジョエルテスト[2004-08-19-2]、と。

§

最後に、
著者による採用原理を挙げておきます。

1. 頭が良く
2. 物事を成し遂げる
3. 嫌なやつではない

1,2は[2006-02-11-3]を参照。
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