たつをの ChangeLog

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4人のブロガー(および元ブロガー?)で「ツイてる!ポッドキャスト新春20XX」として、毎年お正月にポッドキャストを配信していましたが、先日お伝えした通り今年から読書会形式で発信していくことになりました。


で、何回か試しにやってみたのち、新しいポッドキャストタイトルが決まりました。その名もツイてるブッククラブ

ツイてるブッククラブ

公式な説明:
ツイてるブッククラブは、デジタルハリウッド大学の橋本大也、シンみたいもんのいしたにまさき、八戸経済新聞の聖幸、たつをのChageLogのたつをがお送りする月に1冊本を読んでいこうというポッドキャストです。

今回の課題図書は『フラッシュ・クラッシュ』。むちゃくちゃ面白いです。推せます。


↑こちらから聴けます!


読む前に最初にイメージしたのは、古典的名著『カッコウはコンピュータに卵を産む』です。しかし、カッコウでは守り側からの視点がメイン(著者が守り側の当事者)で、攻撃側の情報があまりなかったのですが、フラッシュクラッシュでは攻守両方の詳細が書かれていてとても良いのです。鬼の背景もきっちり語られる『鬼滅の刃』みたいなものですよ。徹底的に取材・インタビューしてますよね、これ。

クラッシュを引き起こした側のナブが、高速取引・高頻度取引(high-frequency trading, HFT)に立ち向かうわけですが、限界まで自分の力を引き出すために武器(取引プログラム)を徹底的にチューニングにしていくのが面白いです。高速取引は全自動ですが、それに対して手動(半自動)で挑む。コンピュータの判断に対して、脳と神経で挑む。世の中的にはナブは敵(鬼)ですが、わくわくします。

とにかくやれることはやって勝利を目指すナブ。ポッドキャストの中で『アルゴリズムが世界を支配する』という本のアルゴリズム取引の黎明期の話を取り上げました。クラッシュ本の中でも少しだけ言及されていたトーマス・ピーターフィーの話。初期は直接接続の自動取引が禁止されてて、各オフィスに設置されてるナスダック端末でやることになってました。しかし、どうしても自動取引をやりたいので、ナスダック端末の画面をカメラで読み込み、映し出されるデータを認識し、それを元に売り買いの指示をナスダック端末のキーを押す自動タイピング装置へ出すように。自動取引はナブの敵側ではありますが、敵味方かかわらず、こういう工夫でものごとに取り組む姿勢が私は好きです。なお、この機械によるネット接続なしでの自動取引は、当局が視察にきて、気に食わない顔をされたが最終的にはスルーされ、その後はなし崩し。こちらはスルーされたのにねえ、としみじみ。

そうそう、この本はたくさんの「しみじみ」ポイントがあります。現在進行形の詐欺の話とか。未読な方は痛快感・爽快感だけでなくしみじみさも味わいながら読んでいただけたらと思います。

§

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こちらは、ブッククラブメンバーのいしたにさんの記事です。

読書会第19回[2006-02-11-2]。2冊目は「Joel on Software」[2005-12-16-4]

Joel Spolsky / ジョエル・オン・ソフトウェア


いろいろなエッセイ。おすすめな章をピックアップ。

■第12章 5つの世界■

ソフトウェア開発を5つの世界に分類。
それぞれの世界間で考え方に溝があるわけです。
(ref. 似たようなことをやってるけど実は違うことをやってる人たち
<http://d.hatena.ne.jp/naoya/20060209/1139484009>)

1. パッケージ:オープンソースもWebも含めてる。
2. インターナル
3. 組み込み
4. ゲーム
5. 使い捨て:ref. その場しのぎプログラミング[2003-12-09-3]

■第14章 アーキテクチャ宇宙飛行士たちに脅かされるな■

アーキテクチャについて考え続けすぎて非生産的な人々の話。
彼らは、損益にはまるで貢献しない非生産的で高学歴な人たちをたくさん
抱えておく余裕のある、非常に大きな会社で働いているのが普通だ。

元の英文→[2005-11-19-5]

■第15章 射撃しつつ前進■

生産性の鍵は「ただ始めること」。ペアプログラミングはだらだらを防ぐ
意味でうまくいくのでは、とのこと。あと、Microsoftなど大企業から次々
に出てくる技術を追うのに時間を使いすぎるな、と。

■第20章 採用面接ゲリラガイド■

これ、超重要。いかにまずい候補者を落とすか。MicrosoftやGoogleの
採用も基本的にこの章のやり方。

採用しない方が良い2つの極端なパターンがおもしろ:
(1)頭はいいが物事を成し遂げない人々:
しばしばPhD(博士号)を持っており、大企業で働いているが、彼らの言
うことなんてまったく実用的ではないため誰も聞いてない。彼らは予定ど
おりリリースすることよりも、何かアカデミックな問題についてあれこれ
と考える。[...] たとえば、「スプレッドシートは実際のところプログラ
ミング言語の特殊なケースにすぎない」というようなことを言い[...]
(2)物事を成し遂げるものの頭は良くない人々:
考えもなしにバカげたことをやり、誰かがその後始末をするハメになる。
彼らは貢献できないばかりか優れた人々の時間さえ奪ってしまうので、
会社にとってはお荷物となる。彼らはサブルーチンを書かずにコードの
大きな塊をコピーしてまわる。それは頭のいいやり方じゃないにしても、
とりあえずは仕事が成し遂げられるからだ。

まあ、ともかく技術者の面接は技術者(複数人)が面接すべきですね。

■第26章 漏れのある抽象化の法則■

下層の技術も知らないと、いざというときにまったく対処できないよ、
という話。ここら辺で技術者としての差が出てくるかと。
LLしか知らない人は、Cとかマシン語とかやっとくべきかと。

■第27章 プログラミングにおけるロード・パーマストン問題について■

かつてロード・パーマストンは言った。
「シュレースウィヒ-ホルシュタイン問題はとても込み入っていて、
ヨーロッパでそれを理解できた人間は3人しかいない。
1人は亡くなられたプリンス・アルバートだ。
もう1人はドイツ人の教授で、発狂してしまった。
私が3人目なのだが、もうすっかり忘れてしまった」。

あなたが日常使うことの90%は1週間で学習できるが、残りの10%を知るた
めには、2、3年かかるかもしれないということだ。
そういえば、あるプログラミング言語の本をちょっと読んで何か作れた、
ってくらいで「その言語ならまかせて!」とか言い出す人、いるよね。

いつもは知的だと思える人が、ブログの中で「Microsoftはまともな
オペレーティングシステムが作れない」みたいな愚かなことを書いている
のは、率直に言ってバカにしか見えない。何百万行のコードと何百もの大
きな機能領域を持ち、何千ものプログラマが10年、20年とかけて作り上げ、
1人の人間にはその大きな部分を理解し始めることすらできないようなも
のを要約しようとしているのを想像してみるといい。
この本が参考になるかと:「闘うプログラマー」[2005-11-20-1]

■第35章 「ここで発明されたものじゃない」症候群を擁護する■

車輪の再発明を擁護!
それがビジネスで核となる機能なら──何が何でも自分でやることだ。
ref. アンチ根性と車輪の再発明[2005-08-22-3]

読書会第19回。前回の読書会は[2005-11-20-1]
今回は2冊。1冊目はドラッカー。
資本主義からの脱却→脱経済化社会→共産主義 or 全体主義→ぬぬぬ。

P.F. ドラッカー / 「経済人」の終わり-全体主義はなぜ生まれたか


70年前の本。全体主義の仕組みを丁寧に解説。
ソ連共産主義と全体主義の類似など、的確な分析とその後の予言。
時代の空気から過激なことが受け入れられたとは言え、ドイツ(ナチス)もイタリアも無茶な体制です。
未来への投資が無い段階で破綻しかないわけで。
自己啓発系ドラッカー本よりも若干難しいんだけど、話は明快ですんなり読めます。おもしろ。

読書会第18回。前回の読書会は[2005-10-30-1]
今回は「闘うプログラマー」[2005-11-06-2]です。

G.パスカル ザカリー / 闘うプログラマー〈上〉


G.パスカル ザカリー / 闘うプログラマー〈下〉


仕事中毒スーパーハッカー猛烈マネージャーのカトラーが Windows NT を開発する物語です。強烈です。部下も憑かれたように仕事に熱中してます。
家庭も崩壊です。すごすぎ。プロジェクトXのような感動が得られますが、なんというか、やはりこういうところでは働きたくないですね。
とは言え、見習うべきところ、参考にすべきところは多い本です。
プログラマーなら必読の本です。絶版なのが残念。
日経ビジネス人文庫ででも是非!!!

読書会会場の喫茶店のコーヒー

それはそうと、この本のプロジェクトX的な面にやたら感動して部下に発破をかける上司というのが想像できます。
「お前らも死に物狂いで仕事しろ!」、
「全てを投げ打って真剣に取り組め!」と。
でも、ちょっと待って下さい。そのプロジェクトが終わったら、悠々生活が送れますか? それ相応の見返りがありますか?
work ethic だけじゃ人生崩壊です。

カトラーのプロジェクトは乗り切ればストックオプションでウマーですが、ほとんどのプロジェクトはどうでしょうかね?
全てを捨てて取り組む価値があるでしょうか?

仕事中毒も見返り次第。無駄な犠牲は避けたいものです。
燃え尽きても何億、何十億が手に入ればまあいいかな、という結論。

追記: 新装版出ています。Kindle版もあり。
闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達 eBook: G パスカル ザカリー, 山岡 洋一: Kindleストア


読書会第17回。前回の読書会は[2005-10-08-3]
今回はサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」です。

サイモン シン (著) / フェルマーの最終定理-ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで


分かりやすいです。難しい話は出てきません。数学苦手な人でも大丈夫。
逆に言うと証明の細かいことは本文では解説されていないので、単に分かった気になるだけです。
でも、私も含めて大半の読者は数学者ではないし、厳密な証明よりもそれにかかわる人の人間ドラマが面白ければ良いかと。
とにかく感動のドラマです。イチオシの一冊。今すぐ読むべしな一冊。
読まないなんてことはありえない!


ワイルズの言葉を引用 (p.369):
「大人になってからも子供のときからの夢を追い続けることができたのは、非常に恵まれていたと思います。これがめったにない幸運だということはわかっています。しかし人は誰しも、自分にとっての大きな何かに本気で取り組むことができれば、想像を絶する収穫を手にすることができるのではないでしょうか。...」
夢を追いかけることのできる人は幸福なのです...。そしてその夢が大きく没頭するに値するものであるというのはすごい幸運なのです...。


追記051101:
サイモン・シンは「暗号解読」[2005-01-23-5]も超オススメなのです。

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