たつをの ChangeLog : 2021-02-25

4人のブロガー(および元ブロガー?)で「ツイてる!ポッドキャスト新春20XX」として、毎年お正月にポッドキャストを配信していましたが、先日お伝えした通り今年から読書会形式で発信していくことになりました。


で、何回か試しにやってみたのち、新しいポッドキャストタイトルが決まりました。その名もツイてるブッククラブ

ツイてるブッククラブ

公式な説明:
ツイてるブッククラブは、デジタルハリウッド大学の橋本大也、シンみたいもんのいしたにまさき、八戸経済新聞の聖幸、たつをのChageLogのたつをがお送りする月に1冊本を読んでいこうというポッドキャストです。

今回の課題図書は『フラッシュ・クラッシュ』。むちゃくちゃ面白いです。推せます。


↑こちらから聴けます!


読む前に最初にイメージしたのは、古典的名著『カッコウはコンピュータに卵を産む』です。しかし、カッコウでは守り側からの視点がメイン(著者が守り側の当事者)で、攻撃側の情報があまりなかったのですが、フラッシュクラッシュでは攻守両方の詳細が書かれていてとても良いのです。鬼の背景もきっちり語られる『鬼滅の刃』みたいなものですよ。徹底的に取材・インタビューしてますよね、これ。

クラッシュを引き起こした側のナブが、高速取引・高頻度取引(high-frequency trading, HFT)に立ち向かうわけですが、限界まで自分の力を引き出すために武器(取引プログラム)を徹底的にチューニングにしていくのが面白いです。高速取引は全自動ですが、それに対して手動(半自動)で挑む。コンピュータの判断に対して、脳と神経で挑む。世の中的にはナブは敵(鬼)ですが、わくわくします。

とにかくやれることはやって勝利を目指すナブ。ポッドキャストの中で『アルゴリズムが世界を支配する』という本のアルゴリズム取引の黎明期の話を取り上げました。クラッシュ本の中でも少しだけ言及されていたトーマス・ピーターフィーの話。初期は直接接続の自動取引が禁止されてて、各オフィスに設置されてるナスダック端末でやることになってました。しかし、どうしても自動取引をやりたいので、ナスダック端末の画面をカメラで読み込み、映し出されるデータを認識し、それを元に売り買いの指示をナスダック端末のキーを押す自動タイピング装置へ出すように。自動取引はナブの敵側ではありますが、敵味方かかわらず、こういう工夫でものごとに取り組む姿勢が私は好きです。なお、この機械によるネット接続なしでの自動取引は、当局が視察にきて、気に食わない顔をされたが最終的にはスルーされ、その後はなし崩し。こちらはスルーされたのにねえ、としみじみ。

そうそう、この本はたくさんの「しみじみ」ポイントがあります。現在進行形の詐欺の話とか。未読な方は痛快感・爽快感だけでなくしみじみさも味わいながら読んでいただけたらと思います。

§

ツイてるブッククラブの公式ツイッターアカウントあります!
よかったらフォローしてくださいませ。

こちらは、ブッククラブメンバーのいしたにさんの記事です。

たつをの ChangeLog
Powered by chalow