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AMNの「レビューズ」[2015-05-30-1]でのサンプリング企画で本書を頂きました。ありがとうございます。さらっと感想を書いてきます。

小島正美(編集) / 誤解だらけの遺伝子組み換え作物
表紙写真:誤解だらけの遺伝子組み換え作物
メディアが流す“リスク情報”はたいていの場合、何らかのゆがみ(バイアス)がある。その中でも最たるものが、遺伝子組み換え作物に関するニュースだろう─。同じ組み換え技術でもなぜiPS細胞は称賛され組み換え作物は否定されるのか? 内外の専門家やジャーナリスト、有識者がその誤解を解く。

本書は「遺伝子組み換え」に賛成の立場でまとめられた本です。読んだ感じでは、遺伝子組み換え反対の人が賛成意見を確認するために読むのに良いかと思います。「御用学者め!」「御用記者め!」と思うかもしれませんが議論を深めるために一応意見を聞いて(読んで)おくのが良いと思いますよ。第I部は編集者による遺伝子組み換え作物の「誤解」や「論争」についてのまとめ的な話。よくある反対意見への回答もあります。第I部は科学者・記者・生産者らによる個別論点の短めの解説記事が13本。第III部は米国で発行された電子ブック「The Lowdown on GMOs」を翻訳したもので、本書の半分の分量を占めます。

目次:
I部 なぜ誤解はいつまでも続くのか?
II部 日本ではなぜ理解が進まないのか?
 1章 遺伝子組み換え作物とは何か?
 2章 生産者と消費者の目
 3章 記者たちはどう見ているのか?
III部 遺伝子組み換え作物の真実
 序章 つくり話からの解放
 1章 遺伝子組み換え作物は怖くない
 2章 21の問い
 3章 人間の進化と遺伝子の移動
 4章 巨大企業と表示の義務化論争
 5章 科学をゆがめているのは誰か?

私の認識では「遺伝子組み換え」は、昔からの「自然の速度の品種改良」をすごい速さでやっているわけで、つまりは「超高速品種改良」。もちろん、生物(人間を含む)や環境に悪い影響を及ぼすものもできてしまうかもしれないので、そこは科学的にきっちり調べてもらい、それでも少し心配なのでさらに十年くらい様子を見れば安心して食べられそう。実際のところ、日本には人が直接食べるものは多くはないですが、食用油や家畜の餌として長年使われているし、それで健康被害が出ているわけではないし。

食料だけでなく医薬品(インスリン)等、広範囲に大量に使用されているにもかかわらず、遺伝子組み換えの30年の歴史で人間・動物・環境への科学的な検証を経た被害事例はありません。ただ、心配なのは科学的に安全だと判断されたとしても、そこに人為的なものが入ってる可能性があること[1]。利害関係のない複数の独立の調査がちゃんと行われているかが一番の関心ごとです。とはいえ、本書を読めば、多くの「目」が光っていることがわかります。遺伝子組み換えトウモロコシの発癌性の論文(セラリーニ論文)など、むしろ危険を煽る側が非科学的に都合のいいデータを使って、多くの「目」により否定される例も。この件はSTAP細胞[2]と同じく追試が成功していません。

リスクはゼロとはいえないけど(科学なので…)、ノーリスクにはできないし、他の要因でのリスクの方が大きいわけでなのですが、放射能騒ぎのときみたいな「ノーリスク信仰」が、遺伝子組み換え食物の日本での普及に影響を与えているのでしょうね。

最後にテキトーな陰謀論を一つ:

アメリカから大量の遺伝子組み換えトウモロコシを輸入しているのに、
日本では遺伝子組み換え作物の栽培が事実上できない。
これは明らかにトウモロコシの輸出減少を避けたいアメリカの陰謀だ!

日本の穀物自給率を上げたくないやつらの陰謀だ!!!

参考


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