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達人出版会[2012-01-17-3]から出ている「ケヴィン・ケリー著作選集 1」を読みました。電子書籍なので iPhone の iBooks(アプリ)にて。無料です。

ケヴィン・ケリー, 堺屋七左衛門(翻訳) / ケヴィン・ケリー著作選集 1
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ケヴィン・ケリーが自身のブログ「The Technium」にてCreative Commonsライセンス(CC BY-NC-SA)で公開しているエッセイから、『無料より優れたもの Better Than Free』『千人の忠実なファン 1,000 True Fans』などの25編を収録。翻訳はこれまで100編以上のケヴィン・ケリー作品を翻訳してきた堺屋七左衛門。(序文: yomoyomo)

とりあえず、第2章の「千人の忠実なファン」は読みましょう。議論のベースラインです。

良く見かけるロングテイルの図。左端に Head と呼ばれる飛び抜けた人気の少数派、右端に行けば人気は低いが多数派の Long Tail。Head を目指すのは大変だし、Long Tail じゃ生活に必要なだけ稼げない。というわけで「ほどよい中間」についての話です。

創作者には、貧困でもなくスターでもない中間の居場所があると私は言いたい。それは成層圏レベルのベストセラーよりも低いけれども、ロングテールの暗がりよりは高いところだ。実際に本当の数字はわからないが、熱心な芸術家であれば千人の「忠実なファン」を開拓することができると思う。

第20章の「みんな払いたがっている」を読むとですね、この本、無料なんですがやはり翻訳者の方にお金を払いたい思いが強くなりました。無料で申し訳ないのでせめて投げ銭くらいは、と。

で、達人出版会へ提案なのですが、無料の本の場合、同じ内容で有料版を用意して頂けると良いかと。お金を払いたい人はそちらを買うことでうまいこといけると思います。

IT系の人って、そもそもの情報が無料でインターネットから得られることが多いゆえ、自分が出す情報も無料にしたいという人が多いと思います。なのでそういう著者の方は無料版と有料版の二つを出してもらって、有料版のお金は受け取るもよし、達人出版会や他団体へのカンパとするもよし、ってのがみんなが嬉しい仕組みかなと思ってみたり。

さて、次は対象読者が「一般向け、とりわけインターネットの社会的・文化的な影響に興味のある人、『ケヴィン・ケリー著作選集 1』を読んで楽しめた人」とされている yomoyomo初単著「情報共有の未来」を読む予定です。