代替医療のトリック
2010-04-18-4
[BookReview]
これは面白かった。
ピンと来た人はぜひ読んでみて!
2010年の超絶オススメ本。
■サイモン シン, エツァート エルンスト / 代替医療のトリック
第一章で詳細に解説されているが、その薬や医療行為が効果があるかどうかを調べるための、科学的な最強な武器は「二重盲検法」。
「信じれば効く」というプラセボの効果を排除して、実際に効果があるかどうかを調べる方法で、これをきちんとパスしない限りは「そもそも効果がない」ということ。プラセボだったらイワシの頭で十分なわけで。
「科学的にメカニズムが解明されていない」というのはどうでもよくて、効果さえ確認できれば役にも立つし、そのうち解明もされていく。
大航海時代の船乗りがよくかかった壊血病にはレモンが効くことが分かったが当時はメカニズムは不明のまま。その後、レモンに含まれるビタミンCに効果があると科学的に解明されたという事例が説得力あるかな。
代替医療でも実際の効果が確認されれば科学はそれを探求する。科学が代替医療と敵対していると考えている人は、代替医療の客観的な効果(個人的な効果、ではなく)が不足していると認識すべき。
この本では四つの代替医療について検証された結果を紹介している。
その四つは、鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法。
結論は以下の通り(p.280-281):
- 鍼:ある種の痛みや吐き気には効果があるかもしれないという程度の科学的根拠は得られているが、それ意外の症状について医療上の効果は認められない。
- ホメオパシー:科学的根拠の示すところによれば、夢物語にすぎないものを患者に売りつけるまやかし。
- カイロプラクティック:ある種の腰痛については理学療法と同等の効果がありそうだが、それ以外の症状について言われているような効果はありそうになく、深刻なリスクもあるようだ。
- ハーブ療法:この分野からいくつか興味深い薬が得られたことに疑問の余地はないが、それを大きく上まわる数のハーブ薬が、有効性が証明されていないか、あるいは有効性が否定されているか、さらには確実に危険であることが判明しているにもかかわらず市場に出回っている。
反論がある人はまずは本書を読んでからの方が良い。
本書を盲信する必要はないけどポイントは押さえておいた方が良いかと。
「プラゼボでもいいじゃないか」という反論に対しては、第6章「真実は重要か?」で一章をさいて向き合っている。
随時追加予定。
- サイモン・シンが一歩前進 (忘却からの帰還)
http://transact.seesaa.net/article/145364744.html
サイモン・シン(著者の一人)は英国カイロプラクティック協会に訴えられてるのだがその現状。
- 通常医療として行われている処置よりも効果のある代替療法は存在するか (とらねこ日誌)
http://d.hatena.ne.jp/doramao/20100412/1271056398
- 『代替医療のトリック』 (へちがね日記)
http://hechigane.blogspot.com/2010/04/blog-post_05.html
- 「代替医療のトリック」感想 ただし鍼灸のみ (osaragi1999の日記)
http://d.hatena.ne.jp/osaragi1999/20100318/1268906428
http://d.hatena.ne.jp/osaragi1999/20100323/1269307998 (補足説明)
- 代替医療の検索方法 (capsctrldays(2010-04-15))
http://capsctrl.que.jp/kdmsnr/diary/20100415.html#p01
- ナイチンゲールについて。ナイチンゲールは本書第一章の「科学的根拠に基づく医療」の文脈でしっかり解説されています。
-- レポート ・ナイチンゲールと統計学
http://washimo-web.jp/Report/Mag-Nightingale.htm
-- 問:史上最も有名で、最も戦闘的だった統計学者は誰か? 答え:ナイチンゲール
http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-258.html
- [を] サイモンシンの新刊「代替医療のトリック」が出ていた[2010-03-04-3]
- [を] ホメオパシープログラミング[2010-04-04-1]
2013年夏に改題されて文庫版が出ていました:
■代替医療解剖
すべておすすめのサイモン・シン三部作(文庫で入手可能です):
- [を] 「フェルマーの最終定理」が文庫で登場[2006-06-29-4]
- [を] 超オススメ本「暗号解読」が文庫化[2007-07-05-4]
- [を] サイモン・シン「ビッグバン宇宙論」文庫化(「宇宙創生」に改題)[2009-02-19-3]
ピンと来た人はぜひ読んでみて!
2010年の超絶オススメ本。
■サイモン シン, エツァート エルンスト / 代替医療のトリック
ホメオパシー、鍼、カイロプラクティック、ハーブ療法のほか、アロマセラピー、イヤーキャンドル、オステオパシー、結腸洗浄、指圧、スピリチュアル・ヒーリング、デトックス、伝統中国医学、ヒル療法、マグネットセラピー、マッサージ療法、瞑想、リフレクソロジー等々等々…。最新の科学的評価とは? その衝撃的な内容とは? 知られざる逸話の数々とともに語られる、代替医療の真実。
第一章で詳細に解説されているが、その薬や医療行為が効果があるかどうかを調べるための、科学的な最強な武器は「二重盲検法」。
「信じれば効く」というプラセボの効果を排除して、実際に効果があるかどうかを調べる方法で、これをきちんとパスしない限りは「そもそも効果がない」ということ。プラセボだったらイワシの頭で十分なわけで。
「科学的にメカニズムが解明されていない」というのはどうでもよくて、効果さえ確認できれば役にも立つし、そのうち解明もされていく。
大航海時代の船乗りがよくかかった壊血病にはレモンが効くことが分かったが当時はメカニズムは不明のまま。その後、レモンに含まれるビタミンCに効果があると科学的に解明されたという事例が説得力あるかな。
代替医療でも実際の効果が確認されれば科学はそれを探求する。科学が代替医療と敵対していると考えている人は、代替医療の客観的な効果(個人的な効果、ではなく)が不足していると認識すべき。
この本では四つの代替医療について検証された結果を紹介している。
その四つは、鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法。
結論は以下の通り(p.280-281):
- 鍼:ある種の痛みや吐き気には効果があるかもしれないという程度の科学的根拠は得られているが、それ意外の症状について医療上の効果は認められない。
- ホメオパシー:科学的根拠の示すところによれば、夢物語にすぎないものを患者に売りつけるまやかし。
- カイロプラクティック:ある種の腰痛については理学療法と同等の効果がありそうだが、それ以外の症状について言われているような効果はありそうになく、深刻なリスクもあるようだ。
- ハーブ療法:この分野からいくつか興味深い薬が得られたことに疑問の余地はないが、それを大きく上まわる数のハーブ薬が、有効性が証明されていないか、あるいは有効性が否定されているか、さらには確実に危険であることが判明しているにもかかわらず市場に出回っている。
反論がある人はまずは本書を読んでからの方が良い。
本書を盲信する必要はないけどポイントは押さえておいた方が良いかと。
「プラゼボでもいいじゃないか」という反論に対しては、第6章「真実は重要か?」で一章をさいて向き合っている。
関連情報
随時追加予定。
- サイモン・シンが一歩前進 (忘却からの帰還)
http://transact.seesaa.net/article/145364744.html
サイモン・シン(著者の一人)は英国カイロプラクティック協会に訴えられてるのだがその現状。
- 通常医療として行われている処置よりも効果のある代替療法は存在するか (とらねこ日誌)
http://d.hatena.ne.jp/doramao/20100412/1271056398
- 『代替医療のトリック』 (へちがね日記)
http://hechigane.blogspot.com/2010/04/blog-post_05.html
- 「代替医療のトリック」感想 ただし鍼灸のみ (osaragi1999の日記)
http://d.hatena.ne.jp/osaragi1999/20100318/1268906428
http://d.hatena.ne.jp/osaragi1999/20100323/1269307998 (補足説明)
- 代替医療の検索方法 (capsctrldays(2010-04-15))
http://capsctrl.que.jp/kdmsnr/diary/20100415.html#p01
厚くて読む気になれない。結構さくさく読めるので読むべし。
- ナイチンゲールについて。ナイチンゲールは本書第一章の「科学的根拠に基づく医療」の文脈でしっかり解説されています。
-- レポート ・ナイチンゲールと統計学
http://washimo-web.jp/Report/Mag-Nightingale.htm
-- 問:史上最も有名で、最も戦闘的だった統計学者は誰か? 答え:ナイチンゲール
http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-258.html
- [を] サイモンシンの新刊「代替医療のトリック」が出ていた[2010-03-04-3]
- [を] ホメオパシープログラミング[2010-04-04-1]
2013年夏に改題されて文庫版が出ていました:
■代替医療解剖
サイモン・シンの著作
すべておすすめのサイモン・シン三部作(文庫で入手可能です):
- [を] 「フェルマーの最終定理」が文庫で登場[2006-06-29-4]
- [を] 超オススメ本「暗号解読」が文庫化[2007-07-05-4]
- [を] サイモン・シン「ビッグバン宇宙論」文庫化(「宇宙創生」に改題)[2009-02-19-3]