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献本頂きました。ありがとうございます。

エリック・シンク / Eric Sink on the Business of Software - 革新的ソフトウェア企業の作り方


教訓いろいろ。
自分で会社をやるにしろ、やらないにしろ為になります。
ひとりでネットサービスを作って
公開しているような人にも良い本だと思います。

特に、前半のマイクロISVについての話は非常に興味深いです。
マイクロISVとは、投資を受けた会社ではなく個人による自力の会社。
失敗したときのリスクを小さめにした、
一人でやれる規模のソフトウェア開発会社。
会社ですらなく「個人プロジェクト」も含まれそう。

私がいろいろなサービスサイトを作って
公開しているのもこれと近いですね。
認知度が低くて一日のPVが5くらいの失敗サイトがほとんどですが、
そこそこPVのあるサイトもいくつかあるので、
あとはうまく育てていきたいところ。
著者も「もっと失敗しよう」って言ってますし、まあ気楽にやってます。

マイクロISVにとって競合(企業)を正しく選ぶことが重要、
というマーケティングな話はおもしろいですね。
競合が思い描けないのは悪い兆候分野だ、とか。
あとは、アイデアには価値はないという話とか。
新しいアイデアに過度に依存しないで、
競合がうまくやってないところを狙う、と。
「新しい」アイデアというのはみんなが考えているほど
価値あるものではないということだ。
多くの場合、売り手のいないマーケットというのは、
実際にはマーケットでも何でもないのだ。
[...]
新しいビジネスを始めたいなら、
誰も試みたことのないアイデアを探そうとはしないことだ。
そうではなく、実際の顧客相手に商売が行われているが、
あまりうまくなされていないようなところを探してみよう。
そしてももっとうまくやる方法を見つけるのだ。
(p.145)

競合に勝つ方法:
あなたは多くの競合を、単に大失敗しないだけで打ち負かすことができる。
多くの会社は競合の優秀さや強さによってではなく、
自らの愚かなミスによって潰れていく。
手堅くありつづけ、ビジネスを継続することだ。
そうして何年か経たとき、
いかに多くの競合が現れては消えていったかに驚くことだろう。
(p.178)
ブログの世界みたいだなあ。
ここ10年でどれだけの人気ブログ(ウェブ日記も含めて)
が現れては消えていったことか…。

「あまり大きく始めない」という指針は、ちょっと前に書いたブログ記事
「最初から気合いを入れると続かない」[2008-06-04-1]に通じるなあ。
多くの会社はバージョン1.0に機能を詰め込みすぎる
きらいがある。競合と機能で競いたい欲求には逆らいがたい。
競合に機能で勝てなければ、誰も買ってくれないだろうと自分を納得させるのだ。
[...]
バージョン1.0の目的は、2.0以降のバージョンの開発費を作り出すことなのだ。
(p.43)
いつまでもリリースできないんじゃ、
存在しないのと同じですからね。
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