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小泉武夫 / 食の堕落と日本人


日本の環境に適応してきた日本人は日本のものを食べるのがベスト、という話は昔から納得なのです。最近は意識して、日本食を増やす努力をしています。でもなかなか…。
こうして日本食を繰り返し繰り返し食べ継いできたために、私たち日本人は、体も心もそのような食べ物に対応してつくられてきたのである。そして、その情報が遺伝子に刷り込まれて現代の日本人に受け継がれてきた。たとえば、日本人の大腸が、繊維分の多い食事に適応して長くなってきたというのも、その長い食習慣から固定された遺伝子によるものである。(p.26)

納豆をご飯にかけて食べるってのは伝統的な食べ方ではないらしい。
江戸時代にはそのような習慣はなかったそうな。
では、江戸時代は、納豆をどうよあって食べていたのかというと、すべて味噌汁に入れていたのだ。いわゆる納豆汁である。(p.73)
味噌と納豆は、麹菌か納豆菌のどっちがつくかで決まるもので、大した違いがない。ときどき味噌になったり、ときどき納豆になったり。だから混ぜるってのは自然発想みたい。ちなみに私は納豆汁大好き!

日本酒業界活性化のための講演を造り酒屋の組合に頼まれて出かけた著者。
ところが、講演後のパーティーでの乾杯に使われたのがなんと日本酒ではなくビール。
「日本酒のますますの発展のために乾杯!」
これはもうユーモアを通り越してギャグの世界である。これが変なことだと誰も気がつかないその組合員なのだから、救いようのないほどの堕落である。
(p.83)

中国で段ボール入りの肉まんが!というニュースが最近ありましたが、日本人は昔は紙を食べていたそう。1764年に出た「料理珍味集」にそのレシピが。使い古した奉書紙を三日間水に漬けて、味噌と葛を足して叩いて丸めて乾かして味噌汁の具にするらしい。
まあ繊維質たっぷりだし、悪くはなさそう。(p.156)
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