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得する生活

2007-02-11-1 [BookReview][Money]
橘 玲 / 得する生活-お金持ちになる人の考え方

 人間が完全ではない以上、市場は常に少しだけ歪んでいる。だがその歪みは、利益を求める人々の行動によっていずれは修正される。市場が効率化すれば、もはや超過利潤は得られない。
 他人よりも早く市場の歪みを発見し、それを賢く利用することが、経済合理的な「得する生活」への第一歩となるだろう。
(p.268)
という本です。

2003年の本だから若干古めだけどなるほどと思うこと多し。
クレジットカード、マイレージ、与信情報債権回収、自己破産、不動産競売などにある「歪み」を使った裏ワザっぽいのがいろいろと解説されています。
借金関係の裏ワザは今後も使わなくて済むといいな。

以下、いくつか引用:

 「貧しい人は心が美しく、金持ちはずる賢い」
 これは世間一般の常識だが、残念ながら誤りである。各種の社会調査によれば、成功者ほど他人を信頼し、貧乏人ほど疑り深く、猜疑心が強いという傾向が顕著に現れている。同様に、高学歴者ほど他人への信頼度が高く、学歴が低くなるにつれて疑り深くなる。
(p.25)
 市場経済においては、一般的に、信用は失うものの多寡によって計測される。社会的に成功し、大きな資産を築き、ビジネスパートナーに恵まれた人は、他人を騙すことで得る幾ばくかの金よりも失うものがはるかに大きいから、自己の評判を維持するために積極的に約束を守ろうとする。
 その一方で、失うもののない人物は簡単に約束を反故にする。他人を裏切って手にする富の方が魅力的だからだ。社会正義や清貧を語る人物がわずかの金で掌を返したように人格を変容させるのは珍しいことではない。
(p.28)
トルコのことわざ[2004-12-11-4]やフランクリンの言葉[2004-09-04-2]にある「空のふくろはまっすぐに立ちにくい」というやつでしょうか。

誰かが得をするということは、別の誰かが損をするということだ。
(p.224)
世の中の「歪み」を見つけて得をする、という文脈なら確かにそうだなあ、と。歪み狙いじゃ Win-Win な関係は見いだせそうもない。

不動産に投資するということは、国や自治体に余分に税金を納めるということだ。国が国民に持ち家を奨励する理由のひとつがここにある。
(p.239)
所有権それ自体が課税対象になる、という話の流れで。
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