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京都コンピュータ学院卒業生編集誌アキューム5号掲載。
「『ナチ宣伝』という神話」佐藤卓己
http://www.kcg.ac.jp/acm/a5072.html
(via http://www.pochi.cc/~sasaki/chalow/2007-01-04-4.html)
第3帝国成立後,宣伝大臣に就任したゲッベルスは,繰り返し「宣伝だけ
が阻むべくもない威力を発揮した」と主張することで第3帝国内部での
発言力を獲得し,国家官僚組織としての宣伝マシーンを作りあげたが,
この宣伝啓蒙省の成りあがりエリート達が自らの地位向上のために
「宣伝神話」の創造に血道をあげたことは言うまでもない。
ドイツ人歴史家を含め当時の証言は,ナチ宣伝の魔力や情報操作の巧妙さ
を強調することで「ヒトラーに投票した人間ひとりひとり」の政治的責任
を軽減しようとしていないかどうか,冷静に吟味する必要がありそうであ
る。ナチ体制に対して大衆的な抵抗を行うこともできず,連合軍による
占領まで「ナチに騙され続けた」ドイツ国民の言いわけの弁として
「絶対の宣伝」は絶大な威力を発揮するはずである。

実際はソ連と比べすごいわけでもない。
宣伝神話はドイツ国民が言いわけとして「強力な宣伝にだまされた!」
と言いたいがためではないか。
といった話。

ふうむ。