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結論から言うと、
「はてなブックマークが誹謗中傷行為の温床に見えるのはシステムの問題ではなくユーザの認識が甘いだけ。 (48文字)」


はてなブックマークのコメント欄での誹謗中傷行為について書いてみます。

「はてなブックマーク」<http://b.hatena.ne.jp/> とはソーシャルブックマークサービス (SBS) の一つで、ネット上で共有できるブックマークサービスです。
ブックマークしたWebページにキーワードやコメントが付与できます。
また、同じページに他のユーザが付与したコメント等も閲覧できます。

簡単な状況説明([2005-11-24-1]より):
はてなブックマークではユーザがWebページをブックマークすると同時にコメント(50文字)も付与できるのですが、最近そこでの誹謗中傷コメントが問題となっています。仕組み上、Webページのオーナーがブックマーク・コメントされたことに気づきにくいため、コメントする側は気が緩んでしまうのかも知れません。どんなときにでも誹謗中傷行為は褒められたものではありません。気をつけないといけないですね。
詳細は kanose さんの記事をどうぞ:
ARTIFACT@ハテナ系 - はてブコメントの暴力性
<http://d.hatena.ne.jp/kanose/20051116/hbcomment>
(こんなのもあります:
ARTIFACT -人工事実- | 欲しいのは「陰口で繋がる自由」
<http://artifact-jp.com/mt/archives/200511/freedomconnected.html>
ARTIFACT@ハテナ系 - はてブで盛り上がる問題は参入障壁が低い
<http://d.hatena.ne.jp/kanose/20051119/barrierstoentry>)

この問題に対して、はてなの公式見解が11月22日に出ました:
はてなブックマークのコメント欄について
<http://hatena.g.hatena.ne.jp/hatenabookmark/20051122/1132638020>
誹謗中傷行為についてですが、はてなでは利用規約にていかなる場所でも誹謗中傷行為を禁止しております。他人の権利を侵害する行為は行っていただけませんのでご注意いただければと思います。
私はこの記事について、
誹謗中傷行為の処置は利用規約に基づく。そりゃそうだ。まっとう
と「はてなブックマーク」でコメントしました。

このはてなの公式見解は自分の行動の責任とリスクを改めてユーザに認識してもらうことを意図しているものかと思います。
リスクは何も「はてなブックマーク」に限った話ではないのです。
当然のことですが、削除されるだけでなく、訴訟のリスクもありうるわけです。

写真と本文は関係ありません

一方、「システム」の問題だとして、コメント欄の廃止を主張しておられるかたもいらっしゃいます:
はてなブックマークの現状に見る「はてな」的善意の限界 - 動物発電所(NKN別館)
<http://d.hatena.ne.jp/theinvisiblegun/20051120#p1>
そもそも必ずしも「はてな」というコミュニティに所属しているわけでも
ない外部=被ブックマークサイトがシステムの中核に近い場所にいること
から、恒常的に「内外」の軋轢が起こるような事態が生まれてきてしまっ
ているのだと思います。こんな状態で提供者側がユーザーの善意に凭れ掛
かるようなことを書いても、結果的には詮無いことでしょう。

私は、誹謗中傷行為はシステムで対処しても根本的な解決にならないと思っています。「はてなブックマーク」は、掲示板やブログのコメント欄と比べてもそれほど特殊なシステムではないのです。
はてなブックマークが誹謗中傷行為を助長しているように見えるのはシステムの構造的な問題ではなくユーザの認識が甘いだけ。
やはり、ここは法による抑止力でしょう。
そのためには、誹謗中傷行為のリスクの分かりやすい例を示す必要がありますね。
はてなブックマークで誰かブックマーカーが名誉毀損なりなんなりで訴えられて裁判になれば、さすがに自重する人が多くなるでしょう。
早い時期にそのような事例が蓄積されると良いですね。


ところで、海外ではディグ(digg) <http://digg.com/> というソーシャルブックマークが人気みたいです。
これもブックマークする人がコメントを書き込めるシステムですが、誹謗中傷行為にはどう対処しているのかな。
興味深いところです。
ref. 人気急上昇中の参加型ニュースサイト『ディグ』
<http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20051124201.html>


追記051125:
とはいっても何が誹謗中傷・名誉毀損になるのかがよく分からない、
といった意見もいくつか見かけました。
私も専門家ではないので確かなことは言えません。
事例をもとに考えて行動するしかないでしょうね。
名誉毀損裁判[2005-02-03-3]という本が参考になりました。

どんなにたびたび他人を誤解するかということを意識したら、だれもはてなブックマークのコメント欄であまり多くを語らないだろう。
(ゲーテ)
<http://namazu.org/~satoru/diary/20040510.html>