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この本の出版記念の佐々木俊尚さんの講演会へご招待頂きました。
その際に事前にお読みになりたい場合はお送りしますよ、とお申し出があり、これ幸いと送って頂きました[2010-04-03-2]
で、きっちり読み終えて予習バッチリ状態で講演会へ行ったら、佐々木さんが「みなさん本をまだ読んでないという前提なので今日は本に書いていない話を中心にします」みたいなことをおっしゃり、ちょこっとずっこけました。
実際、参加者のみなさんはほとんど読んでないみたい。
会場の椅子には一冊ずつこの本が置いてありましたし。

そんなわけで、我が家にはこの本が2冊あります。
ありがとうございます!

講演会のメモはこちら→[2010-04-06-1]

佐々木俊尚 / 電子書籍の衝撃

キンドルに続き、アップルiPad 登場。それは、本の世界の何を変えるのか?
電子書籍先進国アメリカの現況から、日本の現在の出版流通の課題まで、
気鋭のジャーナリストが今を斬り、未来を描く。

本が電子化される世界。
それは、私たちの「本を読む」「本を買う」「本を書く」という行為に、
どのような影響をもたらし、どのような新しい世界を作り出すのか?

これからの出版はどうあるべきかに対して著者の主張は「音楽に学べ」とシンプル。
歴史が繰り返すなら出版社の勝算はゼロ。
 キンドルが急成長し、電子ブックのプラットフォームとして支配力を強めていく構図は、ゼロ年代前半にアップルのiTunesがのし上がっていったのとまったく同じ構図でした。だから出版社には「このままでは、iTunesに支配されtメジャーレーベルが力を失ったように、われわれもキンドルに首根っこを押さえられてしまうのではないか」という強い危機感が出てきたわけです。そうしてキンドルに中抜きされようとしていくことに、激しく抵抗したのでした。
 しかしこの戦いは、どう考えても出版社には不利なように思われました。
 電子ブックの市場が拡大していけば、「電子ブックでも十分儲けられるのであれば、紙の本にはこだわらない」と考えるプロの書き手がたくさん出てくる可能性があります。
(p.73)
そしてiPadの参入、と話は続いていきます。
中抜きの時代になると、出版社は厳しいですね。

セルフパブリッシングの話(第3章)は刺激的ですね。
今までは自費出版しても書店への流通には乗らない、つまり素人の本を書店の本棚へ並べるのは無理。しかし電子出版ならばインターネットが「書店の本棚」の代わりになり、(売れるか否かはともかくとして)簡単に流通させることができる。
日本のアマゾンでもできるようになったら試しにやってみたいよなあ。
とはいえコンテンツがないので今のうちからなんとかしとかなきゃな。

第4章は何かと議論を沸き起こす、「取次」の話。
日本における書籍流通の形と、なぜ今の時代にそれが弊害になるかについて。
『守られるべき出版文化とは、決して「出版業界」ではありません』という言葉、そして『最も大切なのは、「読者と優秀な書き手にとっての最良の読書空間を作ること」』という言葉。
重みを感じさせます。

ref.
- [を] 「電子書籍の衝撃」出版記念講演会に行ってきました[2010-04-06-1]
- [を] 【これから読む本】電子書籍の衝撃[2010-04-03-2]