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梅田望夫, 平野啓一郎 / ウェブ人間論


読了。いろいろとわくわくする話があり、楽しめました。
本書の流れは置いておいて、個人的に気になる箇所を適当に
ピックアップしてコメント(三色ボールペンで言うと緑):

自分より年上の人と過ごす時間を減らし、若い人たちと過ごす時間を増やすという決断をしたという梅田さん。
梅田 ...背中を押してくれたのは『葬送』にあった言葉でした。
主人公のドラクロワが、自分の絵が未来に残るためには自分より若い人たちが評価してくれなければならない、という確信する場面があったと思いますが、あれにすごく啓示を受けた。... (p.14)
これは私も感じますね。
これに関してはいろいろ書きたいことがあるが、まあ何年かしてから。

梅田 だから、グーグルが実現させるぞと表明している目標の中で、彼らが言うほど簡単にはできないだろうと僕が思っているのは「翻訳」ですよ。グーグルの技術者連中は今、万能感を抱いているから、インターネットの情報は言語を越えるなんて軽く言うんだけど、おそらくそれだけは難しい。 (p.38)
前の職場で機械翻訳ソフト開発にかかわっていた私も実感していますが、そう、これはかなり難しいです。とことん質を求めると、結局、人工知能(ロボット)を実現することほぼ同じですからね。で、続きがあって、
梅田 ...ただ、今の小学生くらいの世代は、未熟だけど少しずつ進歩する翻訳ソフトの存在を前提に、翻訳ソフトにかけたときに意味が通じやすい言葉をネット上では使って、しなやかに「言葉の壁」を越えていくかもしれません。 (p.37)
つまり、「わかりやすい文章を書く」ことが当面の解決になるかなあ、と。
文章力を向上させると、読者の理解を助けるだけでなく、世界中の人たちへメッセージを届けることもできるようになるわけです。
みんなに嬉しいことなので、「わかりやすさ」を追求した作文教育を初等教育の段階から望みます。
(ref. 人の心を動かす文章術[2004-05-02-3][2004-05-09-3][2004-05-12-2])

梅田 まだグーグルを含めて今の検索エンジンはリアルタイム性が弱く、昨日今日ブログに書かれたものを正確に抽出する能力を完璧には持っていないので、今のところ力業でやるしかないんですよ。 (p.47)
そこでブログ検索ですよ。最新の評判情報を探すには便利。
ただ、Googleのブログ検索は日付順表示がデフォルトになってないのが、なんというか…。最新順表示+スパムフィルタ、で十分なのになあ。
適合度の高いものを探すには普通にWeb検索してブログに限定しないってのが、現状での最適な使い分けだと思います。

梅田 ...ある平野という姓のお父さんが「平野啓一郎」と検索しても、作家の平野啓一郎が出てくるから、こいつは検索されずにかなり長いこと幸せに暮らしていけるであろう」と思って、子供に啓一郎という名前をつけるというのは有りだと思う。(p.102)
この発想はなかったです。木を隠すには森の中。なるほどなあー。

梅田 ...自然に負の部分をやり過ごす能力がないと長生き出来ない。自然に負の部分をやり過ごす能力がないと長生き出来ない。リテラシーというよりは、もう生存本能ということですね。
平野 生存本能。環境適応ですね。ほんとにそうだと思います。
梅田 「あ、これは嫌なものだな」と思った時に見ないって本能ですね。「2ちゃんねる」が出てきた時はわかんないから見に行ったけど、ある時から見に行かないというリテラシーが出来ていきましたよね。検索エンジンでも百件先にはいいものがないだろうから全部見ても時間の無駄だから行かない。そういうリテラシーというか生存本能を身につけて、みんなが環境適応していくと信じています。 (p.111)
いわゆる「スルー力」ですね。
二種類あると言われているスルー力のうち[2006-12-06-3]、「世の中にあふれるどうでもいいネタをスルーする力」ですね!
こういうスルー力なら「なくてもいい!」とは言えないかと。

ref. [を] 「ウェブ進化論」の読書メモ[2006-02-08-4]