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君主たちの覇権争いをクラス内でのグループ抗争に置き換えての君主論解説本。
権謀術数を駆使する小学5年生たち。
分かりやすいし、面白い。
おすすめ本です。

架神恭介, 辰巳一世 / よいこの君主論 (ちくま文庫) [Kindle版]

マキャベリの名著『君主論』を武器にクラス制覇へと乗り出した小学五年生のひろしくん。だが、彼の前に権力への野望を持つ恐るべき子供たちが立ち塞がる。『君主論』はひろしくんを覇王へと導くことができるのか?小学生の権力闘争を舞台に楽しく学べる『君主論』。クラスを牛耳りたい良い子のみんなも、お子様に帝王学を学ばせたい保護者の方も、国家元首を目指す不敵なあなたも必読の一冊。

各章のストーリーは君主論の各章の内容を元に、クラス内のグループの遷移が(小説ではなく)第3者視点によるレポートとして進んでいきます。小学校5年生のクラスの1年を通して、クラス全体の心を掌握し統一するストーリー。

ストーリー部分は要約・あらすじといってもいいかも。小説仕立てにすると、君主論全体をカバーするには分量が多すぎて大変なことになるので、これくらいがベストでしょうね。このストーリーを元に脚本書いてドラマ化なり漫画化なりすると面白そうだな。

で、各章の終わりには、その章についてのまとめとして、先生が男の子と女の子に解説していくという構成。
先生(ふくろう先生)による解説の例:
マキャベリはね、極悪非道には『良い極悪非道』と『悪い極悪非道』があると言ってるんだ。良い極悪非道とは、政権を奪い取るために必要な悪行を最初に一度だけまとめて行って、その後は極悪非道を用いずに平民どもの暮らしを良くすることだけを考えることだよ。極悪非道を繰り返さないことで民衆どもを安心させ、ゆっくり恩恵を施すことで人心を摑めれば、それは良い極悪非道と言えるだろうね。
極悪非道は一回限りで済ませるのが吉ですね。

もともとの本は昔ブログでさらりと紹介した「完全覇道マニュアル-はじめてのマキャベリズム」。2009年に文庫化されたときにタイトルがかわったそう。

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