@mehori による元祖「ライフハック大全」(2017) の新書版という位置づけですが、ここ5年の氏のライフハック的な一連の書籍の集大成ともなっています。
時代の変化に合わせての変更・取捨選択がなされていて、今この時に読むのにふさわしい自己啓発書です。ハウツー本ではないです。
元祖「ライフハック大全」からの「道具も重要だけど考え方の方が重要」というメッセージが、本書ではさらに色濃く出ています。
「考え方」ってのが「プリンシプルズ」。
本書はプリンシプルズ(原則)が肝です。
元祖版では無かったその原則解説部分だけでも読めば、そこから広げていくらでも応用できます。
本書の最大の特徴は、ライフハックの背景となっている考え方を、その原理・原則=プリンシプルズに踏み込んで解説を行っているところです。
いろいろと紹介されているハックはオマケというか枝葉末節というか、必要な人には役に立つのでカタログ見るみたいにざっと目を通すくらいの心持ちで。
とはいえ、紹介されているアプリやサービスなどは、10年後には古くて使えなくなっていてもその背景の考え方は古くならない感じがします。
というか、そういう基準でセレクトされてるんでしょうね。
時代の変化追随としては、集中力を高めるための「音」の話で Noisli だけだったのが Lofi hiphop なども追加されてたのが印象深いです。
ちなみに今も Noisli 使っています。シンプル便利アプリです。(ref. [2017-11-20-1])
とにもかくにも、デジタルをメインとしたネット情報社会で生き始めようという人たちは必読かと思います。
最初の一冊がこれだと良いスタートが切れるかと。
TODO管理について私見。
やはり道具よりも「時間をとる」ことが大事。
管理のために定期的に一定時間を投資する。
これができるならば、たぶんどんなやり方でもうまくいく。
仕事などのTODOは紙に今日の日付書いてリスト作るやり方に落ち着く。
HACK 022 の Hipster PDA に近い。
買い物とか生活に関するTODOはアップル謹製の「リマインダー」アプリ。
これは、一箇所でやるものか動きながらやるものかの違いに対応しているのかと。
過去記事リンク: @mehori のライフハック三部作(ではない)
- 「ライフハック大全」は時代を超えたい定番手法をまとめた「最後のライフハック本」 - ありがとうライフハック、そして永遠に![2017-11-17-3]
- 日々の積み上げでこの先生きのこる!『知的生活の設計―――「10年後の自分」を支える83の戦略』を読んで自分の足で一歩ずつ未来へ進みましょう![2018-11-26-1]
- 堀正岳ライフハック三部作(ではない)の終美を飾る(まだ終わらない)、ザ・リスト本!『仕事と自分を変える 「リスト」の魔法』[2020-01-25-1]
- 堀 正岳 / ライフハック大全 プリンシプルズ (角川新書)
【「プリンシプルズ」とは】
本書の最大の特徴は、ライフハックの背景となっている考え方を、その原理・原則=プリンシプルズに踏み込んで解説を行っているところです。
(中略)
元のムーブメントに立ち返ると、ライフハックは忙しくて余裕がなくなっている人や現状に苦しんでいる人に対して、具体的なアクションとして取り入れられる小さな習慣を提示する心強い考え方であることがわかります。
(中略)
本書は、読者のみなさんが本当のライフハックをそうでないものから見分け、小さな習慣であるのに長い目で見れば人生を良い方向に変える行動を自分自身の力で見いだせるようになっていただくための原理・原則を伝えることを目的としています。
(「はじめに」より)
目次:
- はじめに
- PROLOGUE ライフハックとは何か
- CHAPTER 1 時間を生み出すライフハック
- CHAPTER 2 行動に結びつくタスク管理
- CHAPTER 3 集中力と先送り防止
- CHAPTER 4 ツールと人生の仕組み化
- CHAPTER 5 読書と情報整理
- CHAPTER 6 学びとアウトプット
- CHAPTER 7 仕事と生活の環境構築
- CHAPTER 8 心を守るためのメンタルハック
- CHAPTER 9 人生をハックする習慣術
- おわりに
- 参考文献
詳細目次
- はじめに
- PROLOGUE ライフハックとは何か
- PRINCIPLE 0 ライフハックとは何か
- 001 [CORE] ブレインダンプで心配事をすべて書き出す
- 002 [CORE] マインドマップで人生の見取り図を作る
- 003 ブレイクダウン式とボトムアップ式の目標作成
- 004 ミッションステートメントを持ち歩く
- CHAPTER 1 時間を生み出すライフハック
- PRINCIPLE 1 自由を生み出すための時間管理の考え方
- 005 [CORE] 時間トラッキングで時間の使い方を可視化する
- 006 日常のルーティン行動を計測する
- 007 時間の解像度を高めて行動する
- 008 [CORE] 24時間テンプレートで時間の整理をする
- 009 自分の黄金時間を意識する
- 010 プランニングの誤謬を意識する
- 011 パーキンソンの法則を逆手にとる
- 012 [CORE] 短期間の計画を長期間の計画に埋め込む
- 013 残業時間の損益分岐を把握する
- 014 書類やスライドは「不完全」でよしとする
- 015 リアルタイムは希少資源として扱う
- 016 [CORE] 決断するスピードを加速する
- 017 秒単位で時間を回収する工夫
- 018 新しい技術がもたらす時間の活性化に注目する
- CHAPTER 2 行動に結びつくタスク管理
- PRINCIPLE 2 いま、ここでやるべきことに集中するタスク管理
- 019 [CORE] 仕事を楽にするタスクの書き方
- 020 [CORE] アナログなタスクリストの作り方
- 021 [CORE] デジタルなタスク管理アプリの活用
- 022 Hipster PDAで十分なことも
- 023 いまやることに集中するDoingリスト
- 024 メールからタスクを剝ぎ取るインボックス・ゼロ法
- 025 クローズ・リストを意識してタスクを増やさない
- 026 やらないことリストでタスクを減らす
- 027 ショーストッパーとゾンビタスクに注意する
- 028 過去の経験をテンプレート化する
- 029 マインドマップで大きな仕事を分解する
- 030 アイゼンハワー・マトリクスと点数制
- 031 ファースト・タスクを決めておく
- 032 週に一度はタスクを頭の外に追い出す
- CHAPTER 3 集中力と先送り防止
- PRINCIPLE 3 やる気に頼らない集中力の保ち方
- 033 [CORE] ダッシュ法とポモドーロテクニック
- 034 時間を捉えやすくするガジェットを利用する
- 035 集中力を高める「音」を用意しておく
- 036 10~20分のパワー・ナップで活力を補充する
- 037 仕事に割り込むすべてを遮断する
- 038 [CORE] シングルタスクを心がける
- 039 「ロード時間」と「セーブ時間」を意識する
- 040 ダブルバインドとリベンジ先送りを回避する
- 041 [CORE] アンスケジュール法で自由な時間を確保する
- 042 自分の「脱線パターン」を意識しておく
- 043 気の進まない仕事は「選択」に置き換える
- 044 ほんの少しだけ始める手段を複数用意しておく
- CHAPTER 4 ツールと人生の仕組み化
- PRINCIPLE 4 時間を生み出すツールと仕組み化
- 045 [CORE] 自動化できるものはすべて自動化する
- 046 [CORE] 自動化サービスとプログラミングに習熟する
- 047 Googleの高度な検索演算子を使う
- 048 DeepLとGrammarlyで英語の生産性を向上させる
- 049 デスクトップのファイルを自動的に整理する
- 050 時間差でアクションを生み出すツールを活用する
- 051 音声入力で、歩いている時間も書類が書ける
- 052 生活の手間をなくすための投資
- 053 作業のバックアップを無意識に行う
- 054 スマートスピーカーとAIアシスタントに慣れておく
- 055 [CORE] スマートフォンとの距離感に注意する
- 056 技術のアーリーアダプターになる
- CHAPTER 5 読書と情報整理
- PRINCIPLE 5 情報の選び方を通して人生を変えてゆく
- 057 [CORE] フロー情報は3種類に分流して処理する
- 058 RSSとツイッターのリストを活用する
- 059 スマートフォルダを使い倒す
- 060 [CORE] 情報の受信箱を作っておく
- 061 情報を集めるタイミングと読む時間をずらす
- 062 [CORE] 読書の戦略を立てておく
- 063 読書ジャーナルで読書体験を保存する
- 064 速読のかわりに使えるテクニック
- 065 音声メディアで読書と学びを加速する
- 066 セレンディピティを楽しむ
- 067 アルゴリズムに対抗する情報収集
- CHAPTER 6 学びとアウトプット
- PRINCIPLE 6 人生を変えるための情報アウトプット
- 068 [CORE] ユビキタス・キャプチャーを実践する
- 069 写真は10倍撮影して、動画は1分を基本にする
- 070 シャワーのなかでアイデアが浮かぶ理由
- 071 [CORE] 話題のPKMツールを使いこなす
- 072 紙のPKMツール、情報カード
- 073 歩きながら考える仕組みを作る
- 074 [CORE] 集中的特訓で10000時間の練習を加速させる
- 075 忘れてもかまわない学びの「流れ」を作る
- 076 記憶力を底上げする「記憶の宮殿」
- 077 1日に10万字を読んで、5000字をアウトプットする
- 078 ブログで情報発信力を高める
- CHAPTER 7 仕事と生活の環境構築
- PRINCIPLE 7 日常を快適にする「環境構築」を意識する
- 079 [CORE] 1日一箱の整理術
- 080 [CORE] 「30秒以内に見つける」ルールを徹底する
- 081 整理整頓の盲点、「空中」を活用する
- 082 なくしてもすぐに見つかる仕組みを作る
- 083 未来に書類を飛ばす43 Foldersシステム
- 084 紙の書類はすべてデジタル化する
- 085 デスクトップを「押し出しファイリング」で管理する
- 086 考えなくてもよいように準備をする
- 087 ライフログで自分のメンテナンスを行う
- 088 睡眠を確保するための10-3-2-1ルール
- 089 健康を守るための小さな行動
- CHAPTER 8 心を守るためのメンタルハック
- PRINCIPLE 8 気休めの力で、心の問題を回避する
- 090 [CORE] 機会にはすべて「イエス」と言ってみる
- 091 [CORE] 言葉を変えることで性格を変える
- 092 [CORE] 対人関係を諦めずに仕組みに置き換えてみる
- 093 Noと言えないなら「Yes, but」を取り入れる
- 094 他人の言動は「ハンロンの剃刀」を通して見る
- 095 他人の拒絶の理由を深読みしない
- 096 自分を肯定する言葉を大量に投下する
- 097 心のなかのヒーローに悩みを打ち明ける
- 098 安心領域を攻略する
- 099 怒りや不安を、メールや手帳に書いて積み下ろしする
- 100 怒りを制御するためのテクニック
- CHAPTER 9 人生をハックする習慣術
- RINCIPLE 9 やめない仕組みを作る習慣術
- 101 [CORE] 鍵習慣とサポート習慣を戦略的に配置する
- 102 [CORE] Habitifyで回数を記録する
- 103 [CORE] トリガーを工夫することで習慣を定着させる
- 104 バレットジャーナルの「習慣トラッカー」を使う
- 105 新しい行動の「習慣リボルバー」を撃ち続ける
- 106 鎖を途切らせない「サインフェルド・メソッド」
- 107 フランクリンの13徳目習得法
- 108 悪癖に陥るパターンを別の行動で乗っ取る
- 109 バケツ・リストから夢を次々にかなえてゆく
- 110 「30日チャレンジ」で人生を楽しく変えてゆく
- 111 「変」であることを、どこかに持つ
- 112 ライフスタイルのインフレに注意する
- 113 [CORE] 人生の航路をゆっくりと変える
- おわりに
- 参考文献
- 索引
ポッドキャスト「ツイてるブッククラブ」で感想を述べております。