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須田慎一郎 / 下流喰い-消費者金融の実態


「下流喰い」読了。おそろしい世界です。

幸運なことに、今まで消費者金融のお世話になることなしに暮らしてきました。しかしこのご時世、これから先はどうなるか分かりません。とはいえ、絶対に、これからも借りずに生きていきたい、と思いました。

以上、感想文。

以下、読書メモ:

消費者金融の利用者数は2004年の一年間で2000万人突破。
平均借入額は101万円。

2002年度消費者金融。新規顧客の71.8%が男性。年齢は30未満が44.1%、30〜40が23%。年収は、500万未満が81.2%(400万未満が65.3%、300万未満が41.9%、200万未満が16.6%)。これらから、主たる顧客層は「低収入の若年男性」へシフトしていることが分かる、と。(p.85)

多重債務者は現在推定で356万人。

JCFA金銭管理カウンセリング事業団による多重債務者の平均像:
平均年収240万。借り入れ時より20万ほど減収してる。
債務件数8件。債務残高335万。一月の返済は14万。(p.90)

アイフルの「おまとめローン」。返済不可能な多重債務者にさらに増枠させて融資を可能に。
これは親族や知人などの不動産を担保にさせる新手の不動産担保ローンで、いずれ返済が滞るのを見越したうえでさらに300万円から500万円の貸付けをする商品だ。 (p.23)
多重債務者に追い貸し。で、不動産をゲット。
これが一時期のアイフル躍進のカラクリ、との話。

元アイフル社員へのインタビュー。仕事に嫌気がさして退社。しかし、自分が退社するときになって、夫が多重債務者になってることが判明。「サラ金は人を簡単に多重債務者にしてしまう。」(p.37)

もともとハイソなイメージの半蔵門線・東急田園都市線。東武線に接続し北東地域に乗り入れるようになったら、車内に多重債務自己破産お手伝い弁護士広告が目に付くように。

消費者金融大手の平均調達金利:下はプロミスの1.61%から上は武富士の2.2%(年)。武富士の場合、八割近くを25〜27%の金利で貸付け。(p.82)
リスクもあるがすごい利ざや。結果から見るとリスク以上の超儲け。

弱者が弱者を喰うという暗澹とする話。ヤミ金で働く離島出身の若者。
誤解を恐れずに言えば、離島出身の若者という、これも一種の弱者が多重債務者という社会的弱者を喰う--いわば「下流喰い」とでもいうべき構図 (p.158)

偽装するヤミ金。消費者団体、NPO、ボランティア団体を偽装し、多重債務者からのコンタクトを待つヤミ金も多いそうな。(p.161)
最後の頼みの綱がまたしても…という悪夢。これは怖い。

その他:
  • 借金苦で売春する足立区の主婦
  • ヤミ金パラダイスと化した神田・新橋
  • ホストクラブと裏でつながっているらしい「レディースローン」
  • 年金担保融資というのもあるらしい

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