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梅田望夫氏のちくま新書対談シリーズの3冊目。
タイトルから分かるとおり「教育」「学び」についての話が多いです。
教育に対する齋藤孝氏と梅田氏の考え方の差異も興味深いです。

齋藤孝, 梅田望夫 / 私塾のすすめ


で、私が語りたいのは「私塾」について。

二人の共通する「思い」を一言で表現すれば、「私塾願望」と言えます。
志を同じくする仲間と熱く語り合い、学びたい。中心には信頼できる
人格と力量を併せ持った師がいてくれる。そんな私塾的空間で学びたい
という願望があると同時に、自分もまた、「私塾」を開いて若者と熱い
学びの祝祭を味わってみたいという願望も持っています。(p.11)
斎藤氏による「はじめに」より。あるあるー。これだよ、これ。

梅田 若い人たちを集めて、ちょっとしゃべってもいいよ、
講演料なんかいらないから、みたいな感じで。これも私塾的な試みと
言えるかもしれません。(p.188)
smashmedia の河野さんの言っていることにも通じますね
(http://smashmedia.jp/blog/2008/01/000310.html)。
若い人達に伝えたいと思うことはたくさんあるわけで。
時には単なる自己満足でおせっかいかもしれないけどね。

斎藤 [...] 現在の日本で、幕末の適塾のような「私塾」を
そのままの形で望むばかりでは懐古的になる。「私塾的関係性」を
大量発生的に生み出せる可能性がインターネットにはあります。
直接面識のない人との間に、学び合う関係を築く不思議な事態が
すでに起こっている。(p.196)
学校や会社などの既存の組織とはなれて
各自の興味で独自に構成される共同体が重要で、
それが発生しやすい時代になっているわけです。

私も近年は私塾的なものにチャレンジしています。
多くの人に自分の持っているノウハウや知識を確実に伝達する、
ということに取り組みたいのです。

取り組みの一つが私が主催している「IIR輪講」[2007-12-03-2]です
(関連記事一覧→IIR)。
「Introduction to Information Retrieval」という、
近々出る情報検索の本のドラフト PDF がウェブで公開されているので、
みんなで輪講(読んできて集まって情報共有)をしています。
1月から月2回くらいのペースで開催しています。

Christopher D. Manning, Prabhakar Raghavan and Hinrich Schutze / Introduction to Information Retrieval

(http://www-csli.stanford.edu/~hinrich/information-retrieval-book.html)

こういう勉強会(輪講)は、
企業や大学の研究室ではよく行われているのですが、
専門が異なるとか組織上の問題とかで、一般の人は参加しにくいです。
ということで、そこをなんとかするために、
今回はブログから一般の参加者を募りました。

現在は人数制限(20人近くいる)のため参加者募集はしていませんが、
情報検索の基礎知識を伝える場を別途企画したいと思っています。
興味のある方は引き続き当ブログをチェックして頂けると幸いです。

ref.
- 私塾のすすめ - 情報考学 Passion For The Future
  http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/06/post-763.html
- 私塾ノススメ (smashmedia)
  http://smashmedia.jp/blog/2008/06/001540.html