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確率の問題って、直感に反していることもあったりして間違いやすいですよね

増井さんの本「スマホに満足してますか? ~ユーザインタフェースの心理学~」に、混乱しやすい確率問題の例として「兄弟の性別問題」が取り上げられていました。以下、引用しながら説明します。

「ふたりいる子どもの一方が男の子の場合、もう一方も男の子である確率は」という問題も間違えやすいことで有名です。この確率は1/2だと考えてしまいがちですが、正解は1/3です。

ふたりの子供をA、Bとすると、A、Bが男か女かの場合分けはこのような図になると。

兄弟の性別問題

一方が男の子のケースは3種類あり、そのうちもう一方が男の子のケースは1種類。なので答えは 1/3 なります。

……という説明でした。

「ふたりいるうちの一方が男の子」という情報がとても重要です。「どちらかは必ず男の子」ということですから、「両方とも女の子」のケースが排除されるのです。つまり、もう一方の性別が女の子である可能性が増えるのです。すごくありがたいヒントです。

追記150327: 私も最初はそう思っていましたが、「男の子が二人のとき『片方が男の子』なのは二通りあるのでやはり確率は 1/2 だ」という反論があります。しかし、それはすでに一方を固定してしまっており、問題の読み違いです。このケースは下記に相当します。)

もし問題文が「上の子が男の子の場合」(追記: または「たまたま見かけた子が男の子の場合」など)ならばもう一方が男の子である確率は 1/2 になります。もう一方に性別についてのヒントがまったくないからです。

いやあ、難しいですね、確率って。


増井俊之 / スマホに満足してますか? ~ユーザインタフェースの心理学~ [Kindle版]

コンピュータのハードウェアは劇的に進化しているのに、使いやすくなっているようには感じられない。また、スマホは知的生産には不向きで、流れてくる情報を見るだけの時間潰しのツールになっている。本来コンピュータは、人間の能力を拡大し、いつでも/どこでも/誰でも使えるツールとして構想されてきたものだ。では、その方向に正しく進化するにはどうすればいいのか。ユーザインタフェースの第一人者がわかりやすく解説する。
(ref. 【書評・感想】スマホに満足してますか? ~ユーザインタフェースの心理学~[2015-03-25-2])

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シミュレーション


追記150327: Perl で簡単なシミュレーションプログラムを書きました。
#!/usr/bin/env perl
use strict;
use warnings;

my $N = 1000000; # 2人組の数

### 二人の子供の性別をランダムで決める
my @pairs;
for (my $i = 0; $i < $N; $i++) {
    # 1 = 男の子, 0 = 女の子
    my ($child_1, $child_2) = (int(rand()*2), int(rand()*2));
    $pairs[$i] = [$child_1, $child_2];
}

### どちらかが男の子のときのみカウント
my %count;
for (my $i = 0; $i < $N; $i++) {
    if ($pairs[$i][0] == 1 or $pairs[$i][1] == 1) {
        $count{"$pairs[$i][0] $pairs[$i][1]"}++;
    }
}

### 出力
foreach my $pat (keys %count) {
    print "$pat $count{$pat}\n";
}

実行してみるとこんな感じ(右端の頻度は環境により異なります)。もう一方も男(つまり、両方とも男 = "1 1")の頻度は約 1/3 になってます。
0 1 248871
1 1 250911
1 0 250749