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「地球ドラマチック」(ETV 毎週土曜19時)でピダハンの話をやっていたので軽くメモ。

  • ピダハン 謎の言語を操るアマゾンの民 (NHK 地球ドラマチック)
    http://www.nhk.or.jp/dramatic/backnumber/296.html
    ブラジル・アマゾンの奥地に、不思議な言語を持つピダハンと呼ばれる少数民族がいます。彼らの言語には数や色を示す言葉がなく、過去や未来の時制もほとんど見られません。ピダハンの人々は、アマゾンの豊かな自然の恵みの中で、「過去」を思い患うことも「未来」を憂うこともなく、充実した「現在」を生きているのです。心豊かなピダハンの人々の暮らしを、長年、彼らと共に暮らした元宣教師のアメリカ人言語学者の目を通して見つめます。
    • 放送:12月15日(土) 午後7時00分~7時44分
    • 再放送予定:12月24日(月)[(日)深夜] 午前0時00分~0時44分
    • 原題:The Amazon Code
    • 制作:オーストラリア 2012年

§

ピダハン。
アマゾンの奥地に400人ほど。
彼らの言葉とコミュニケーションの方法に世界が注目。
ピダハン語はしゃべってもハミングしても歌っても口笛でも伝わる。
撮影班が入るのはこの番組が初めてのこと。

1950年代(?)、病気の流行でやむなくアメリカの伝道師を迎え入れるピダハンの人々。
そうしてやってきた一人がダニエル。
1977年に家族とともに初めてピダハンの元に。
ピダハン語が話せるの非ピダハンは3人しかいない。
ダニエルは指差しによる単語習得から学び始めた。

ダニエルはキリスト教の信仰を捨てて言語研究に没頭。
ピダハン語には根本的に違う何かがあるのではないか?
言語に関するこれまでの常識がくつがえる?

同じ発音の単語を抑揚で区別。
※中国語みたいなものか?

色を表す単語がない。
過去や未来を表す時制がほとんどみられない。
数を表す言葉がない(可能性が高い)。

数について。
数を意識する必要がない生活だからか。

周囲の自然について並外れた知識を持っている。
自分たちの身の回りにあるあらゆる動植物の名前を知っている。
生体などの知識も。

ピダハンはひたすら現在に生きている。
※過去と未来の不安から解放されたその場ぐらし。

ノーム・チョムスキー曰く、社会心理学の分野においては興味深い話かもしれないが言語の本質とは関係ない。

ピダハン語に RECURSION がない、というダニエルによる主張。
「『○○』とAが言ったとBが言ったとCが言った…」と延々と延ばすことができない、と。
チョムスキー理論に反する。

文化が言語に影響しているというダニエルの主張。
現代の言語学の常識に反する。

ダニエルの主張を検証するための調査隊が準備された。
科学的に手法による分析を予定。
しかし、ブラジル政府により中止に。

撮影はOKということで撮影隊が現地へ。
しかし村は数年前とは大幅に様変わり。
電気もきてるし、テレビも見れる、学校もできている。
子供がポルトガル語や数の数え方を学んでいる。
科学技術で生活の質が向上するが、文化・考え方の多様性が失われる。

なのでこれまでの音声データを解析。
録音された1千の文の中からリカージョンの痕跡はなし。
リカージョンの前提となる接続詞がみあたらない。
「ジョンとメアリーとボブと…」という構造がない。

しかしチョムスキーは検証不足と批判。

※個人的な感想:生活がシンプルならば表現するパターンも少なくて済むので複雑な構造や語彙が現れていない・使われていない、ということなのかなあ。生活が複雑になってくると外来語という形をとって接続詞が普通に定着しそう。
追記: 収集された発話も恣意的なものかもしれないし、チョムスキーの言う通りまだまだ検証不足だと思う。)

§

ダニエル・L・エヴェレット / ピダハン-- 「言語本能」を超える文化と世界観


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