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LINE を使ったことがないけど LINE をめぐる状況に興味があったので、これを読んでみました。昨年に出た本ですが最近 Kindle 版も出たので。

コグレマサト, まつもとあつし / LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか? [Kindle版]

若者たちを中心に人気急上昇中の無料通話・無料メール(メッセージング)スマートフォンアプリ「LINE」。
昨年の6月に始まったばかりのサービスが、国内外でのユーザー数が7,000万人を超える大人気をなっています(2012年10月末現在)。
しかし、その実態はユーザー以外には、まだまだ謎に包まれています。
なぜ、LINEがここまで注目を集めるのでしょうか?
それは、LINEに代表される新しいサービスによって、これまでと違うインターネットの利用方法が生まれつつあるからです。
本書ではLINEブームを分析し、そこから見えてくる新しいインターネットの姿やその活用術、そしてそこにひそむ課題も解説します。

流行る流行らないは些細なことから、というのが印象的でした。例えば、なぜSkypeじゃなかったのか、という理由についての推測。
無料通話と言えばSkypeがありますが、スマートフォン向けアプリ版はバッテリー消費が大きいことと、iPhoneでは3G回線のときにダウンロードできるアプリ自体のファイルサイズの制限があり、それがネックとなりました。インストールしたいときにインストールできない、というのは問題です。そこで代わりになるアプリとして、無料通話のニーズに滑り込んだのがLINE、という構図になりました。
話題になったその場所でインストールできてすぐに使い始められるというのが重要ですね。

昔読んだ「バイラルマーケティング」という本に爆発的な速度で普及したPDAのソフトの話がありました。PDAのソフトをその場で無線(赤外線通信だったか)で別のPDAにコピーできる機能がポイントだったとのこと。それとすごく似ていると思いました。こういうのって些細なことだけど普及のキーだよね。

あとは、キャリアによる縛りが鬱陶しくなっているという状況も後押ししていると。確かにそれはあるよね。
キャリアが提供するメールこそがメッセージングの主役であったわけですが、販売奨励金の廃止、MNPの開始によって、キャリアの主導権は徐々に失われていきました。
そこにほどよい代替案としてタイミングよく LINE が登場したってのが流行のポイント。

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とはいえ、各自の電話帳をベースとした友達ネットワークというのはライバルもすぐにできる、つまり、基本的な友達ネットワーク自体は可搬性があり乗り換えが容易なので、圧倒的な独占は無理。爆発的に盛り上がってもすぐに(数年以内に)ライバルと均衡すると思う。

そもそものサービスが後追いに弱いタイプなので、プラットホーム化もうまくいかないと思う。一つの機能がうけたからといって、「それもっと金儲けだ!」となんでもかんでもぶち込んでもゴチャゴチャするだけ。iモードを目指すと言っても、あれはキャリア紐付きだし、可搬性が高いLINEではあんまりねえ。過大な投資をせずに、適切な事業規模で、テキストチャット&スタンプビジネスというコアに専念すべきかと。

mixi と同じようなパターンになりそうだなあ。ということは、数年は安泰だろうから全然OKか。

という素人意見でした。

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本書を読んだ後に iPhone に LINE をインストールしてみました。が、アドレス帳は一括アップロードしか選択肢がないため、結局アップせず。アドレス帳からアップロードしたい人だけ選択できればいいんだけど。

アドレス帳って、つながりたくない人、例えばかかってきたときに名前が出て欲しいから登録しているだけの人などが
たくさん入っているので、そういう人たちは外したいんだよね。うーん、そういう需要ってないのかなあ……。若い人がメインだとしがらみ少ないから不要なことなんだろうなあ……。

そんなわけで、まったく寂しい LINE 生活です。

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目次:
第1章 世界中で数千万人が熱中するLINE
いつのまにか流行っていたLINE
いつのまにかLINEは毎日使われていた
LINEってどんなサービスなの?
LINEで誰とつながるか
毎月500万人増加し続けるユーザー
LINEは海外のサービス?
進む企業のLINE活用
LINEの連携アプリ
タイムライン機能が登場、LINEがSNS化する!?

第2章 これまでのネットサービスとの違い
LINEが流行ったきっかけ
アーリーアダプターのいない流行?
ボトムアップからの流行
分かりやすいスタンプ
スタンプがあれば言葉は必要ない
メールが面倒に感じられるほどに
これまでのコミュニケーションサービスとの違い
世界を捉えた始めての日本のネットサービス
類似サービスと明暗を分けたポイント

特別インタビュー(1)
内閣広報室IT広報アドバイザー いしたにまさき氏

第3章 LINEでつながる人、つながらない人
LINEのメインユーザーはどんな人?
SNSの根幹=ソーシャルグラフの拡張
LINEの「友だちの友だち」は友だちではない
閉じたサービスのメリット・デメリット
既にツールを手にしていた人たちには響かなかった
先を行きすぎていた「Google Wave」
大学1年生にはLINEがNo.1?
背景には「スマホシフト」

第4章 スマホシフトがもたらす課題
スマホシフトがもたらしたもの
つながりたくない人ともつながってしまう?
LINEは“出会い系"にも利用されてしまう
出会い系問題に対するNHN Japanの対応は?

特別インタビュー(2)
NHN Japan株式会社 執行役員・舛田淳氏

第5章 LINEはどこへ向かうのか
プラットフォーム化の真の狙いとは?
ポストiモードとしてのLINE
LINEと組んだauの狙いは?
そもそもプラットフォーム化ってどういうこと?
LINEで提供されるコンテンツ
ホーム、タイムラインは成功するのか?

第6章 LINEが示すインターネットの未来
結局LINEとは何なのか?
Twitterが示したネットの可能性と限界
Facebookは実名だから炎上しない?
不自由さを増すインターネットの中で
クローズな空間からオープンな場へ
そっくりな先達「Windows Liveメッセンジャー」
スマートフォン中心に再編されるインターネット
スマートフォン+アプリベースのインターネットが生み出すもの
LINEの挑戦は日本発サービスのリベンジだ

特別インタビュー(3)
慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授 夏野剛氏