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献本頂きました。ありがとうございます。

古市幸雄 / 目標実現のための最速ルール41 「カレーライス」の方程式


「1日30分」を続けなさい![2009-11-12-3]の著者による、目標を立てて実現するという自己啓発的な一連の流れをカレーライスを作るという料理の流れに例えて説明を試みた本です。

料理やレシピというのは「プログラムとは何か」を説明する際に、私もよく使うアナロジーです。

この本では料理・レシピという抽象的なものだけでなく、誰でも知っていて、誰でも食べたことがあり、簡単すぎず、複雑すぎずなメニューであるカレーライスを選び「カレーライス作り」という具体的なものを中心にすえているので非常に分かりやすいです。もちろん冗長になったり、「これは苦しいよな」というのも多かったりはしますけどね。

一番ピンときたのは第5章の、良いレシピの選択・入手・活用について。
この本の趣旨からして、ここで言うレシピは目標実現・仕事術・勉強法などのノウハウのことです。

やっぱり重要なのは「ちゃんとレシピ通りにやれ」ということ。
料理は愚直にレシピ通りにやれば失敗も少ないしおいしくできるのです。
ところがどっこい:
ところが、夢や目標の話になると、指示どおりにしないで我流に走って、結果的に目標を実現できない人が非常に多いです。
(p.109)
こうなっちゃうわけです。
大きな原因として、レシピの質に信頼がおけないから、ってのがありそうです。
本書では、良いレシピを選ぶ基準も紹介されていますので、興味があったら読んでみてください。

英会話を習得するためのレシピが載っていたのでご紹介(p.110):
1. 頻出・頻度の高いフレーズを暗記する
2. 英語のテレビ番組を英語の字幕を表示して見る
3. 正しい英語の発音の勉強する
4. 実際に英語で会話をする
5. 年間1000時間くらいは勉強する(2,3年を目標とする場合)

著者の経営する英会話学校の講師陣も例外なくこのレシピだったとのこと。このレシピについて著者はこんなことを言っています:
私が不思議でしょうがないのは、こうやってレシピを公開しているにもかかわらず、レシピどおりに英会話の勉強をしない人が、英会話学習者の大半だということです。
[...]
必要な要素を5つ挙げているにもかかわらず、
その要素を揃えないで、指示どおりに勉強しなかったら、
英会話が習得できないのは、料理が上手にできないのとまったく同じです。
[...]
英会話学習者が一番揃えたくない要素は、5の勉強時間です。大半が「いかに少ない勉強量で英会話ができるようになるか」ということばかり考えています。
料理にたとえると、「30分間煮込む」というレシピの指示があるのに、3分だけ煮込んで完成させようとするようなものです。
(p.110)

楽したいという気持ちがレシピ無視をひきおこし、結局身に付かないという結果になるのですね。わかります。
語学に近道はないのです。
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