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板坂元著「考える技術・書く技術」で紹介されていた、名著やベストセラーなどにみられる読者の情動に働きかける巧妙な技術。
三つに分類されるとのこと。

(1) 読者を自分の味方に引きずり込む技術。
(2) 読者の信頼を得る技術。
(3) 読者を自分のリズムに乗せる技術。

著者はこれらを、「だきこめ」「なめられるな」「のせろ」と解説。(p.132)

二つ目のポイント(読者の信頼を得る技術)の解説を読んで「なるほどー」と思ったので長めに引用。
なくなった辰野隆博士が、かつて講義の途中で、つぎのような雑談をしたことがある。
自分がどこかの夏期講習会に招かれたとき、主催者からつぎのように言われたことがある。
「先生、むずかしい話では困りますが、やさしすぎても困ります。だいたい、九十パーセントはわかりやすい話にして、あと十パーセントぐらいをむずかしい話にして下さい。みんなわかる話だと、甘く見られますから」。
博士は、五パーセントぐらいは、自分にもわからぬようなことを話した。
そして、さすがに学者はえらいもんだとの評を得た、というエピソードであった。
(p.133)
相手には難しいネタも混ぜて話すことによって信頼感を持たせる作戦。
要するに「はったり」ですね。

三つ目のポイントについては、別の章での文末の話とかが参考に。
「……と思う」「……ではなかろうか」「……にちがいない」「……かもしれない」等々、文末に変化を多くつける人の文は、だいたいにおいて読む値打ちがあると思ってよいようだ。
(p.56)
リズム重要。
単調すぎると読者をリズムにのせられない、と。

考える技術・書く技術

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