たつをの ChangeLog : 2008-05-01

献本いただきました。ありがとうございます!
この本は、実はブロガーを始め、情報発信を行っている人にとっても
参考になることが多いです。
私がタイトルを付けるとすると「ノウハウ発信術」。

中山裕一朗 / 「崖っぷち会社」が生まれ変わった3つの方法 - 売り上げが劇的に伸びる勝利のノウハウ!


著者は、
福井県にある従業員15名の紙加工会社を経営。
紙製お弁当箱の材料などの紙製品を作っています。
「成熟・衰退産業」「川中の業種」「地方」「小さい会社」
の四重苦の崖っぷち会社だったのですが、
それを著者が三代目社長として復活させた成功談です。
(「川中」というのは中間製品、半製品を作るような業種です。
大企業が川上、素材メーカーが川下。どちらも強い。)

ポイントは、
「ノウハウ」「コミュニティ」「ブランド」
の三つです。

「ノウハウをしまっておかないで公開する」というのが
本書の一番のポイントです。
著者は、外資系IT企業勤務の経験があり、
そこで出会ったオープンソースの考え方を取り入れています。
ノウハウや知恵は、会社の中に貯めるものではありません。
社外にオープンにしてはじめて儲けにつながります。
なぜでしょうか?
ノウハウをオープンにすることは、お客さんに約束することだからです。
(p.58)
技術力があることをアピールすることで、
お客さんに安心感をあたえ、信頼を得ることができる、と。
「一度でも当社の商品を使ってもらえば、品質の良さがわかる。
いや使ってもらわなくても、私に会ってもらえばわかる」
 いいえ、実は、商品を使ってもらう前に、勝負はついているのです。
「うちの商品は品質がいいです。安全です。」
何度そのように唾を飛ばして熱弁しても、お客さんは信用しません。
営業マンはみんなそう言うからです。
[...]
技術やノウハウをオープンにすると、
あなたはお客さんからこう言われるようになります。
「そうやって工夫して作っているんだ。それなら安心できる」
(p.59)
徹底的にノウハウを発信すると、
お客さんはあなたの会社の自信を感じ取ります。
あなたの会社を信頼せざるを得なくなります。(p.112)
納得です。
お客さんが買う理由をきちんとつけられればいいわけで。
分かりやすい例:
また「人気メニューのレシピ」というノウハウをオープンにすれば、
お客さんは工夫と手間をかけて作られた料理に興味を持ち、
一度食べてみたいと思います。(p.61)

ただこの本ではコミュニティにのみノウハウを公開する
ことを推奨しています(コミュニティについては4章、5章)。
デフォルトで全世界に公開している、
ブログやオープンソースソフトとは異なります。
限定公開にするのは、
フィードバック重視や付加価値が主な理由です。
全体に公開するものと限定で公開するものとのバランスが
重要かもしれません。
先のレシピみたいなのもありますしね。

第3章では前章(上述)を受けて、
発信できるノウハウとはどういうものか、
について解説されています。
ノウハウの抽出ということでマニュアル作りが推奨されています。
マニュアルを作るときに大切なのは
「何をするのかではなく、なぜそれをするのか」を伝えること。
例えば、電話に出るときに社名だけでなく
わざわざ自分の名前も名乗るというルールの場合、
お客さんに名前を覚えてもらえ、親近感を得ることができるという
理由も解説するわけです(p.91)。
形骸化しているように見える伝統とかマナーとかも、
元々は理由があってそういうことになっているわけだし、
やはり「なぜ」の部分が重要なのですね。
あと、ノウハウは、「何をいうか」よりも「どの順番でいうか」が重要
という話も納得!

ノウハウを公開し続けていくとネタが無くなるのではないか、
という心配に対して、ノウハウが無くならない方法も書かれています。
ノウハウを発信すると、ノウハウを読んだ人から情報が集まってきます。
(p.106)
これってまさに
「情報は発信するところに集まる」[2002-08-29-5]ですよ。
私のブログの座右の銘です。
やはりこの辺はどこでも共通なのですね。

ブランドの話は第6章に。
小さい会社が一社でブランドづくりするのは大変。
そこで、企業共同体ブランド(コンソーシアム・ブランド)、
がオススメされています。
ブランドはつくらなくてもいいのです。
ブランドに参加すればいいのです。
(p.180)
筆者の会社が参加しているブランドは「おいしいキッチン」。
おお!福井の企業共同体ブランドだったのですね。

企業共同体ブランドとして良く知られていたのが「WiLL」。
しかし、各社が好き勝手に商品を開発していき、
統一感がなくなりブランドとしては失敗で(2004年に終了)、
「まとめ役」が重要であると述べられています。
この記事に言及しているこのブログ内の記事

こんにちは!こんばんは!
動画ブログ「トーキョードリフト」(http://tokyodrift.jp/) です!
第41回は、乗り物大好きなトーキョードリフトらしく、
「車で首都高ぐーるぐる」な動画です。
ちなみにドリフトはしません(ネタばれ?)。
あと、新しいBGMにも注目!

首都高ドリフト!
画像

tokyodrift #41 - 首都高ドリフト! (YouTube)


実はこういうのは苦手です。見ているだけで車酔い…。
サーキットの回も酔ったしなあ。つらい…。

UTF-8 の全角ハイフン(便宜上こう呼びます)を
Perl の正規表現でマッチさせようとしてはまりました。
全角ハイフンってのは「−」です。

やろうとしたことは、テキストファイル(UTF-8)を読み込んで、
その中の全角ハイフンを半角ハイフンに変換するという作業。
Perl スクリプトはこんな感じ。
use utf8;
use open ':utf8';
binmode STDIN, ":utf8";
binmode STDOUT, ":utf8";

while (<>) {
  s/\p{Hyphen}/-/g;  # または s/−/-/g;
  print;
}
入力「12−234−5」に対して、
出力「12-234-5」を想定。
しかし一部の全角ハイフンだけが半角に変換されるだけで、
残りはそのままでした。困った、困った。

で、元のテキストファイルの全角ハイフンを「od -t x1」
で見てみると「ef bc 8d」と「e2 88 92」の2種類が混じっていました。
前者は「\p{Hyphen}」にマッチするのですが後者はダメ。
まあ原因は分かったので、前処理でバイナリ置換して解決しました。

まあ、このあたりって Unicode がらみでは常識なんでしょうね。
もっと研鑽せねば。


追記080501: Perl で文字コードと言えば弾さん。
さっそく解決策を頂きました。ありがとうございます!

- 404 Blog Not Found:Unicode - 似た文字同士にご用心
  http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51043693.html

unicore をあさる技、活用します。


小飼弾のアルファギークに逢って来た

(ref. [2008-04-15-1])
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