「それにあいつはね、
あたしのいっとういい花をひとつ現にとっちまったのよ」
と白いいばらの木は大きな声で叫びました。
「けさ、お誕生日のお祝いに、王女さまにさしあげたのに、
あいつが王女さまから盗んだのだわ」。
そして声をかぎりに、「泥棒、泥棒、泥棒!」とわめきたてました。
(王女の誕生日)
「どうやらあの人をいらいらさせてしまったようですわ」激しく同感。
と紅雀は答えました。
「ほんとうのところ、教訓談をしてあげましたのよ」
「ああ! そんなことをすると、いつだってとても危険なことですわ」と、
あひるは言いました。
そして、わたしも、まったくそれに同感なのです。
(忠実なともだち)