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政・官・財の日本語塾」がなかなか入手できないので[2003-11-02-1]、これを読んでみました。日本語を母国語としない人が書く日本語の特徴についてのエッセイ。なるほどな点がいっぱい。

イアン・アーシー / 怪しい日本語研究室 / 新潮文庫


もちろん、整備文の話もあります。
役所用語人気ナンバーワンは、紛れもなく「整備」。
官界では、何をやっても「整備」と呼びたがるのです。
例としてあげられているもの。
  • パソコンを買ってくる→パソコンの整備
  • 道端に木を植える→街路樹の整備
  • 働き口を増やす→就業機会の整備

吉田兼好の徒然草の冒頭の整備文訳。すごい!
つれづれなるままに、日暮らし、硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
が、
余暇時間の無効消費を進める過程において、一日当り、平均労働時間に相当しまたは超過する期間にわたって、自然発生する感想・見解等知的諸作用の雑録を、インキ加工蓄積機能をふくむ旧式筆記用具の利活用によって無作為に整備していることを背景に、分析困難な異常心理的症状が生ずる傾向が確実に認められる。
と、なります。

うーむ。この ChangeLog は
「変更箇所記録機構を利活用した感想・見解等知的諸作用の雑録」
かな。

その他いろいろ。
  • バンクーバーの日本人社会向けの変な日本語の話。新聞の求人広告の「ワーホリの方歓迎」。ワーキングホリデーなのだが、あまり縁がない人はワーカホリックかと思いますね。
  • 古代文字と日本語文字体系の相似点の話など非常にスリリングです。ミケーネ文字 (線文字B) の表はひらがな50音表だし、マヤ文字には送り仮名があるし。
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