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昨年12月、東京大学大学院の情報理工学系研究科のガイドラインが改訂され、

「一切の例外なく、軍事研究を禁止する」



「軍事・平和利用の両義性を深く意識し、研究を進める」
「成果が非公開となる機密性の高い軍事研究は行わない」

に。

(なお、このニュースのあとに東大から、軍事研究を容認するという話ではない、との声明も出ています。)

まあ「軍事研究を禁止」だと、普通に考えればあまり軍事に関係ない研究に、いくらでも「軍事研究だ!」とイチャモンつけられるからなあ。

例えば、パワードスーツとか、ドローン(ラジコンヘリ)とか、寒さに強い素材とか、暗号とか、そういうのの研究を考えると分かりやすいかと。人工知能関連の研究だって軍事研究だと主張できるしな。イチャモンの実例を知らないので妄想ですが。

なにはともあれ、ポイントは「成果が非公開となる機密性の高い軍事研究は行わない」ですね。誰にでもオープンになっちゃうなら軍事に特化した研究はできないですよね。仮想敵国やライバル友好国にも対する優位性なくなるし。

オープンにするとテロリストが使っちゃう、みたいな心配もあるだろうけど、そもそもテロリストが手軽に殺傷に使えちゃうオープンな研究に軍事(国防)関連の資金が来るわけない。例えば、効率的に体内で爆発・拡散する銃弾の研究とか、それこそ化学兵器の研究とか。まともな予算なしで軍事研究とか現実的ではないですよね。それ以前に「軍事・平和利用の両義性を深く意識」どころか浅く意識するだけでも無理。

まとめると:
  • (1) 「軍事研究禁止」とすると、関係ない研究にも「軍事研究だ!」と物言いがつけられてやりにくくなるかも。
  • (2) なので表現を変える→「成果が非公開となる機密性の高い軍事研究は行わない」
  • (3) 研究成果を公開するというしばりならばそもそも軍事に特化した研究はできない。
  • (4) オープン、強し。

言葉の定義の問題かなあ、と思った次第。