古い記事
ランダムジャンプ
新しい記事
今から17年前、1996年3月に行った韓国旅行のときのメモ書き(テキストファイル)が出てきたのでほぼそのまま載せておきます(誤字脱字の修正と改行位置の変更をしています)。



1996/3

釜山港で帰りのフェリーを待っていると、韓国人の30代の男性に流暢な日本語で声をかけられた。A4の白い封筒に入った資料を下関まで届けて欲しいとのこと。下関のシーモールが遊園地を作るらしく、その関連の資料(見積り?)であった。中身を確認してから了解した。駄賃として、2万ウォン(約2800円)をもらった。

さらに港で待っていると、韓国人のおばちゃん(アジュンマ)たちがぞろぞろ寄って来て、「船のったら、酒のチケッ、私にやるんだですよ。」と話しかけてきた(「やるんだですよ」という響きは非常に新鮮で、その後しばらく流行る)。フェリーに乗ったら、一人一枚「酒のチケット」なるものがもらえるらしく、アジュンマらはそれが欲しいらしい。さらに免税分のお酒を運べば、1000円くれるとも言っていた。「酒のチケット」が何なのか謎だが、とりあえず「はいはい」と返事をしておいた。

フェリーに乗り込むと、入口に切符を見る係官がいて、その隣で「お酒のチケット」を配っていたので一枚もらった。もらうそばから見知らぬアジュンマらが大挙してチケットを奪い取ろうとしてくるので恐ろしかった。荷物を降ろそうと船内を歩いているときも「チケット下さい」と何度も声をかけられた。港で声をかけてきたアジュンマが誰だか忘れてしまっていたので、声をかけてくる全てのアジュンマを「チケットは既におばさんに奪われた。」といって追い払った。

「酒のチケット」は新聞の折り込み広告を細かく切ったもので、表面に「酒の整理券」と印が押されている。これが無いと船内の免税店でお酒が買えない。正体が分かったので、近くのアジュンマと交渉して、1600円で契約した。

下関では、そのアジュンマから預った酒やタバコをもって税関を通過した。全ての人々が「Old Par 12年もの」3本を持っているので異様な感じがした。そもそも船上の免税店では、既に Old Par 3本が袋に入ったセットが山積みされていた。下関のフェリーターミナルの到着ロビーで、ちょっとした人だかりがあった。そこにいるおばさんがつぎからつぎへと Old Par を買い取っている。なるほどそういう仕組みなのかと感心した。

雨がかなり激しく降っていたので、遊園地の資料を受取にきた日本人に頼み込んで車で下関駅まで送ってもらった。



以上。

オールドパー 12年 750ml