古い記事
ランダムジャンプ
新しい記事
この本の内容は、思いっきりはしょると、解決したい問題はなんなのか目的はなんなのかを明確にして、アウトプットを念頭において物事をすすめよう、といった感じです。

安宅和人 / イシューからはじめよ - 知的生産の「シンプルな本質」

「そもそも」から見えてくる、知的生産の全体像
「イシュー」とは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの。
あなたが「問題だ」と思っていることは、そのほとんどが、「いま、この局面でケリをつけるべき問題=イシュー」ではない。
本当に価値のある仕事をしたいなら、本当に世の中に変化を興したいなら、この「イシュー」を見極めることが最初のステップになる。
Kindle版

私はワインバーグ[2009-10-29-4]の影響もあり、いつも「その問題は本当に『問題』なの?」「何のために解決するの?」「それっている?」などと自分に問いかけてから取り組んでいます。大抵は問題自体が実はなかったということになりがちです。解かなくて良い無駄な問題を減らすことこそが本質ですよね。あと、個人的にオーバースペックな解決策が大嫌いなので、目的・問題に対して解決策のレベルをどれだけ下げられるかにこだわっています。要するに「grepで済むことにHadoopを使うな」ということです。必要十分な質でとっとと解決して、次の問題に取り組むべき、というのが持論。ワインバーグ万歳!(本書ではオーバースペックの話は、丁寧にやりすぎるなというテーマでp.197あたり出てきます。)

まあ、それはそれとして。

以下、読書メモ:

この本のタイトルとなっているイシューとは何でしょう?
「イシューとは何か」。それについてはこの本を通じてじっくり説明していくが、実際のところ、「何に答えを出すべきなのか」についてブレることなく活動に取り組むことがカギなのだ。
 イシューを知り、それについて考えることでプロジェクトの立ち上がりは圧倒的に速くなり、混乱の発生も予防できる。目的地の見えない活動はつらいが、行き先が見えれば力が湧く。つまり、知的な生産活動の目的地となるものがイシューなのだ。
(p.3)
この段階(3ページ目)ではまだもやもやしていますが、後になればなるほどくっきりとしてきます。

商品説明のやつが分かりやすいですね。
「イシュー」とは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの。
あなたが「問題だ」と思っていることは、そのほとんどが、「いま、この局面でケリをつけるべき問題=イシュー」ではない。
(内容紹介より)

「バリューのある仕事」とは?
著者の定義ではバリューの本質は「イシュー度」と「解の質」の2軸で成り立つ、と。
僕の考える「イシュー度」とは「自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ」、そして「解の質」とは「そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い」となる。
(p.26)
それぞれに対応するのは「問題の明確化」と「質の高い解決策」、かな。

よいイシューの3条件(p.56):
  • (1) 本質的な選択肢である。
  • (2) 深い仮説がある。
  • (3) 答えを出せる。

後半は「ロジカルシンキング」や「フレームワーク思考」などの道具の「イシューを念頭においた」使い方の解説。
  • (1)イシューの分解。
    • 分解の原則:MECE。
    • 分解する型:WHERE・WHAT・HOW、機能・形態・しくみ
  • (2)ストーリーラインの組み立て。
    • 典型的な流れ:問題意識・前提知識の共有→イシュー・サブイシューの明確化→サブイシュー検討結果→それらを統合した意味合いの整理。
    • 2つの型:WHYの並びたて、空雨傘(課題の確認→深堀り→結論)。
  • (3)絵コンテづくり。
    • 必要な分析のイメージ。ザブイシュー(ストーリーライン上の仮設)に対応。分析の本質は「比較」。
    • 分析の設計が楽になる定量分析の3つの型:比較、構成(全体と部分の比較)、変化(同じものを時間軸上で比較)。

「答えありき」だと途中にデータ捏造が入りやすくなるし、捏造じゃなくても、都合の悪いデータを無視するようになる。しかし、「答えありき」と「イシューからはじめる」はまったく異なる。失敗すると無駄になる検証を「魚釣の遠征」(Fishing expedition)と呼ぶ。そうならないようにどんな結果が出ても意味のあるタイプの検証が良い。そういう検証ができるイシュー(サブイシュー)を立てる。