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森博嗣のエッセイ。

森博嗣 / 工作少年の日々


2002-2004年に「小説すばる」に連載されていたもの。
で、2004年単行本化されて、それが今回文庫化。

鉄道模型などの工作の話がメインだけど、小説の書き方や、パソコン、ワープロの話もあり。

氏のブログも必読!この本と同じテイストです。
- MORI LOG ACADEMY
http://blog.mf-davinci.com/mori_log/index.php

以下、いくつかメモ:

[...]だいたい忙しそうにしている人間ほど、無能だし、その実それほど忙しくもないし、たとえ忙しくても、どうでも良いことに関わっているだけで、創造的な仕事を何もしていない。(p.137)
 忙しさというのは、結局のところ、
「忙しく」見せかけて、「やりたくないこと」から
自分を防御するための偽装にすぎないのでは、
という気がしてならない。
 多くの忙しさは、自分で望んで設定した忙しさだったりする。
もっと早くやっておけば良かった。ぎりぎりまでやらずにいたのは、
忙しくしないとできないほどつまらないものなのか、あるいは、
ぎりぎりにやった方が短期決戦になって好都合なのか、
誰かがやると思って様子を見ていたけれど、
予想どおり誰もやらなかったものなのか、いろいろケースはあるにせよ、
どれも、自分で予想して招いた(あるいは育てた)忙しさなのである。
(p.147)
「忙しさ」についての「うぐぐぐぐー」という話。
皮肉が効いてて笑えます。真理もついてるかと。
タルムードの
「要領のいい人間は、
賢い人間だったら絶対におちいらないような困難な状況を、
うまく切る抜ける人のことである」
が思い起こされます(see 曲突徙薪[2004-06-13-2])。

どれくらい自己完結できるか、が趣味の醍醐味ではないだろうか。
(p.226)
趣味の鉄道模型、庭園鉄道について述べた一文。
この一文は「趣味」とは何かを的確に表していると思います。
私も趣味としてウェブサービスをいろいろと作ってますが(ref. [2008-01-27-2])、やはり一人で最後まで作れるというポイントが楽しいです。
グループで作るのもありだけど、一人は一人なりの楽しみが。
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