「崖っぷち会社」が生まれ変わった3つの方法
2008-05-01-1
[BookReview]
献本いただきました。ありがとうございます!
この本は、実はブロガーを始め、情報発信を行っている人にとっても
参考になることが多いです。
私がタイトルを付けるとすると「ノウハウ発信術」。
■中山裕一朗 / 「崖っぷち会社」が生まれ変わった3つの方法 - 売り上げが劇的に伸びる勝利のノウハウ!
著者は、
福井県にある従業員15名の紙加工会社を経営。
紙製お弁当箱の材料などの紙製品を作っています。
「成熟・衰退産業」「川中の業種」「地方」「小さい会社」
の四重苦の崖っぷち会社だったのですが、
それを著者が三代目社長として復活させた成功談です。
(「川中」というのは中間製品、半製品を作るような業種です。
大企業が川上、素材メーカーが川下。どちらも強い。)
ポイントは、
「ノウハウ」「コミュニティ」「ブランド」
の三つです。
「ノウハウをしまっておかないで公開する」というのが
本書の一番のポイントです。
著者は、外資系IT企業勤務の経験があり、
そこで出会ったオープンソースの考え方を取り入れています。
お客さんに安心感をあたえ、信頼を得ることができる、と。
お客さんが買う理由をきちんとつけられればいいわけで。
分かりやすい例:
ただこの本ではコミュニティにのみノウハウを公開する
ことを推奨しています(コミュニティについては4章、5章)。
デフォルトで全世界に公開している、
ブログやオープンソースソフトとは異なります。
限定公開にするのは、
フィードバック重視や付加価値が主な理由です。
全体に公開するものと限定で公開するものとのバランスが
重要かもしれません。
先のレシピみたいなのもありますしね。
第3章では前章(上述)を受けて、
発信できるノウハウとはどういうものか、
について解説されています。
ノウハウの抽出ということでマニュアル作りが推奨されています。
マニュアルを作るときに大切なのは
「何をするのかではなく、なぜそれをするのか」を伝えること。
例えば、電話に出るときに社名だけでなく
わざわざ自分の名前も名乗るというルールの場合、
お客さんに名前を覚えてもらえ、親近感を得ることができるという
理由も解説するわけです(p.91)。
形骸化しているように見える伝統とかマナーとかも、
元々は理由があってそういうことになっているわけだし、
やはり「なぜ」の部分が重要なのですね。
あと、ノウハウは、「何をいうか」よりも「どの順番でいうか」が重要
という話も納得!
ノウハウを公開し続けていくとネタが無くなるのではないか、
という心配に対して、ノウハウが無くならない方法も書かれています。
「情報は発信するところに集まる」[2002-08-29-5]ですよ。
私のブログの座右の銘です。
やはりこの辺はどこでも共通なのですね。
ブランドの話は第6章に。
小さい会社が一社でブランドづくりするのは大変。
そこで、企業共同体ブランド(コンソーシアム・ブランド)、
がオススメされています。
おお!福井の企業共同体ブランドだったのですね。
企業共同体ブランドとして良く知られていたのが「WiLL」。
しかし、各社が好き勝手に商品を開発していき、
統一感がなくなりブランドとしては失敗で(2004年に終了)、
「まとめ役」が重要であると述べられています。
この本は、実はブロガーを始め、情報発信を行っている人にとっても
参考になることが多いです。
私がタイトルを付けるとすると「ノウハウ発信術」。
■中山裕一朗 / 「崖っぷち会社」が生まれ変わった3つの方法 - 売り上げが劇的に伸びる勝利のノウハウ!
著者は、
福井県にある従業員15名の紙加工会社を経営。
紙製お弁当箱の材料などの紙製品を作っています。
「成熟・衰退産業」「川中の業種」「地方」「小さい会社」
の四重苦の崖っぷち会社だったのですが、
それを著者が三代目社長として復活させた成功談です。
(「川中」というのは中間製品、半製品を作るような業種です。
大企業が川上、素材メーカーが川下。どちらも強い。)
ポイントは、
「ノウハウ」「コミュニティ」「ブランド」
の三つです。
「ノウハウをしまっておかないで公開する」というのが
本書の一番のポイントです。
著者は、外資系IT企業勤務の経験があり、
そこで出会ったオープンソースの考え方を取り入れています。
ノウハウや知恵は、会社の中に貯めるものではありません。技術力があることをアピールすることで、
社外にオープンにしてはじめて儲けにつながります。
なぜでしょうか?
ノウハウをオープンにすることは、お客さんに約束することだからです。
(p.58)
お客さんに安心感をあたえ、信頼を得ることができる、と。
「一度でも当社の商品を使ってもらえば、品質の良さがわかる。
いや使ってもらわなくても、私に会ってもらえばわかる」
いいえ、実は、商品を使ってもらう前に、勝負はついているのです。
「うちの商品は品質がいいです。安全です。」
何度そのように唾を飛ばして熱弁しても、お客さんは信用しません。
営業マンはみんなそう言うからです。
[...]
技術やノウハウをオープンにすると、
あなたはお客さんからこう言われるようになります。
「そうやって工夫して作っているんだ。それなら安心できる」
(p.59)
徹底的にノウハウを発信すると、納得です。
お客さんはあなたの会社の自信を感じ取ります。
あなたの会社を信頼せざるを得なくなります。(p.112)
お客さんが買う理由をきちんとつけられればいいわけで。
分かりやすい例:
また「人気メニューのレシピ」というノウハウをオープンにすれば、
お客さんは工夫と手間をかけて作られた料理に興味を持ち、
一度食べてみたいと思います。(p.61)
ただこの本ではコミュニティにのみノウハウを公開する
ことを推奨しています(コミュニティについては4章、5章)。
デフォルトで全世界に公開している、
ブログやオープンソースソフトとは異なります。
限定公開にするのは、
フィードバック重視や付加価値が主な理由です。
全体に公開するものと限定で公開するものとのバランスが
重要かもしれません。
先のレシピみたいなのもありますしね。
第3章では前章(上述)を受けて、
発信できるノウハウとはどういうものか、
について解説されています。
ノウハウの抽出ということでマニュアル作りが推奨されています。
マニュアルを作るときに大切なのは
「何をするのかではなく、なぜそれをするのか」を伝えること。
例えば、電話に出るときに社名だけでなく
わざわざ自分の名前も名乗るというルールの場合、
お客さんに名前を覚えてもらえ、親近感を得ることができるという
理由も解説するわけです(p.91)。
形骸化しているように見える伝統とかマナーとかも、
元々は理由があってそういうことになっているわけだし、
やはり「なぜ」の部分が重要なのですね。
あと、ノウハウは、「何をいうか」よりも「どの順番でいうか」が重要
という話も納得!
ノウハウを公開し続けていくとネタが無くなるのではないか、
という心配に対して、ノウハウが無くならない方法も書かれています。
ノウハウを発信すると、ノウハウを読んだ人から情報が集まってきます。これってまさに
(p.106)
「情報は発信するところに集まる」[2002-08-29-5]ですよ。
私のブログの座右の銘です。
やはりこの辺はどこでも共通なのですね。
ブランドの話は第6章に。
小さい会社が一社でブランドづくりするのは大変。
そこで、企業共同体ブランド(コンソーシアム・ブランド)、
がオススメされています。
ブランドはつくらなくてもいいのです。筆者の会社が参加しているブランドは「おいしいキッチン」。
ブランドに参加すればいいのです。
(p.180)
おお!福井の企業共同体ブランドだったのですね。
企業共同体ブランドとして良く知られていたのが「WiLL」。
しかし、各社が好き勝手に商品を開発していき、
統一感がなくなりブランドとしては失敗で(2004年に終了)、
「まとめ役」が重要であると述べられています。
この記事に言及しているこのブログ内の記事