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「収入10倍アップ」シリーズの勝間和代さんによる「金融リテラシーを身につけよう!」という本。

勝間和代 / お金は銀行に預けるな - 金融リテラシーの基本と実践


「お金の勉強」本は、木村剛著「投資戦略の発想法[2005-08-16-3]がなにはともあれイチオシだったのですが、今日からこの「お金は銀行に〜」をイチオシにします。
お金の世界に入り込んだばっかりの社会人一年生に一番強くオススメしたいですね。
この本を読むことが一番の投資でしょうね。

第1章は「金融リテラシーの必要性」を説いています。
日本における長時間労働を槍玉にあげ、「金銭的な自由がないと、奴隷だよね」というような話をしています(私見混じりの超意訳です…)。
金融資産を持ち、労働収入への完全依存を断ち切り、余裕を持つことが大切。
そのために金融について学びましょう、と
 でも、心配することはありません。金融の勉強は語学の勉強より簡単なくらいです。なぜなら、私たちは毎日お金を使ったり受けとったりしているので、金融は語学より、より身近なものであるからです。ただ、語学と同じように、文法・ボキャブラリーといったような正しい基礎知識を身につけることが必要です。
(p.35)
身近なことだからこそ学びやすいのです!

で、金融リテラシーの話。
金融リテラシーについて誤解しないでもらいたいことがあります。それは、金融リテラシーを身につけることと「ラクしてお金を儲ける」ことは違うということです。逆に、金融リテラシーが身につけばつくほど、世の中に「ラクなお金儲けの方法」などはない、ということがよく分かるようになると思います。
(p.47)
金融リテラシーの基本原則は、あたりまえのことですが「金融はリスクに応じてリターンが生じる」(p.48) こと。また、「投資」(リスク)と「賭け」(危険)の判断ができることも重要。とにかく、うまい話に騙されないで冷静に判断できる知識が「金融リテラシー」と言ってしまってもいいかな。

第2章では個別の金融商品について、その特性(リスクなど)が解説されています。この辺はじっくり読んで頂くとして、面白かったのは住宅ローンと銀行の関係の話。
銀行は個人取引において、住宅ローンをなるべく早く組ませることをゴールとしています。そのため、銀行はまず初めに個人に給与振り込み用の口座を開かせたり、公共料金の支払い口座を持たせたりして少しずつ顧客を囲い込みますが、その段階でのコストを考えると、通常、銀行はまだ「赤」です。銀行は、最終的に住宅ローンを組ませることに成功することで、この赤字を回収できるのです。
 このような情報を知らず、無防備になんとなく莫大な住宅ローンを組んでしまうために、ほとんどの人は他の金融資産を持てなくなってしまうのです。
(p.107)
なあるほど。目から鱗。
「ローンで持ち家買う」という行動パターンが当然のように思われているのはこういう力が働いているからかも。

第3章は実践編。非常によくできています。
「金融リテラシーを身につけるための10のステップ」が紹介され、ステップごとの解説が続きます。
ステップ1 リスク資産への投資の意思を固める
ステップ2 リスク資産に投資をする予算とゴールを決める
ステップ3 証券会社に口座を開く
ステップ4 インデックス型の投資信託の積み立て投資を始める
ステップ5 数カ月から半年、「ながら勉強」で基礎を固める
ステップ6 ボーナスが入ったら、アクティブ型の投資信託にチャレンジ
ステップ7 リスクマネジメントを学ぶ
ステップ8 リターンが安定したら、投資信託以外の商品にチャレンジ
ステップ9 応用的な勉強に少しずつチャレンジ
ステップ10 金融資産構成のリバランスの習慣をつける
このステップ通りに冷静に淡々と実践すれば、金融リテラシーだけでなく実際の資産もゲットできそう!!
それはそうと、「金融リテラシー手帳」とか作れば良いのに!と思いました。

ref.
- 私的なことがらを記録しよう!! (勝間さんのブログ)
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/
- [を] 勝間和代さんがオススメする株・経済関連の本[2007-11-06-2]

勝間和代 / お金は銀行に預けるな - 金融リテラシーの基本と実践