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献本いただきました。ありがとうございます。
(ref. [2010-04-10-3])

内田麻理香 / 科学との正しい付き合い方

なんとなく難しそうで近寄りがたいイメージのある「科学」とのゆるいかかわり方、楽しみ方について、文系と理系の間に立ち、サイエンスコミュニケーターとして活躍してきた内田麻理香さんが語るものです。

「私はもともと科学アレルギー」「科学なんか、別に知らなくていい」
よく聞くこんな話。それって、ほんとうでしょうか?
そもそも、そう思い込んでいるだけ?
その結果、自分の視野が狭くなっているとしたら?

あたりまえを疑うことから、科学との付き合いがはじまります。
身のまわりにあふれている科学技術の種を拾うだけで、「新しい扉」が開かれ、あなたの毎日は変わることでしょう。

文系目線の、文系のための科学リテラシー本の決定版の誕生です。

才色兼備なまりか先生内田麻理香さん)による科学リテラシーの本です。
「疑う心」(盲信しない態度)の重要性を中心に丁寧に解説した本です。

疑う心こそが科学の大前提であると主張しています。
科学リテラシーの確信を一言でいうと何でしょうか?
私は、「疑う心」ではないかと考えています。
(p.99)
『「疑う心」です』と言い切ってくれても良いのに、ちょっと謙虚すぎかな。

で、なぜ疑うことが重要かと言うと、科学の仮説というのは観察でしか判断されないから。
ある科学の仮説が提唱された場合、それは実験や観測などを通して、初めて「どうやら正しいらしい」と言うことができます。もし他の観察でその仮説に合わない結果が出てきたら、それは「仮説」の方が不完全で、間違っていたと認めなければなりません。
(p.101)
教科書の内容ですら疑いを持つべき。
ただし、「ひょっとしたら間違ってるかもしれない」くらいのレベルでの疑い。

このように「疑う心」を持てば、「答えが出せないことはペンディング(留保)する」という態度を自然にとることができます。

必ず白黒つけて判断しなければ、という思いが強いと、手の込んだ疑似科学にはつけこまれることもありそうです。
「科学的には判断がつかない」ような商品や、その謳い文句を「疑いもせず」に信じ込んでしまう人が、理系高等教育を受けた人の中にもいるのか、としばらくは納得がいきませんでした。
(p.120)
一方的に信じていたこと(の一部でも)がくつがえされる(くつがえされたと思える)と、その反動で怪しいものを信じちゃうのかもしれません。ペンディングは曖昧な態度と見えるので、ものごとをきっちり判断したい人には気持ち悪く感じるのかも。

疑似科学に対しては「代替医療のトリック[2010-04-18-4]のように、きっちり検証してほぼ確実に怪しいと判断できるレベルまで行けば良いですが、それでも完全に「100%」ではなく「ほぼ100%」の判断にしておくのが「疑う心」かなあ。

ref.
- 内田麻理香:カソウケン(家庭科学総合研究所)
http://www.kasoken.com/
- Discover - DIS+COVERサイエンスシリーズ
http://www.d21.co.jp/contents/campaign/science/
- 関連ツイッターアカウント:
-- DIS+COVER SCIENCE @D21SCIENCE
-- Marika UCHIDA 内田麻理香 @kasoken
- [を] まりか先生がらみの本2冊[2009-06-04-3]


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