「日本企業でのキャリアなんてわれわれはまったく評価しない。あれは本質的にはマックのバイトと同じだから。そういう仕事を自分の意思で何十年も続けてきた人間は、同情はしても評価はできない」あびゃ。
これにより、優秀なエンジニアは自分の技術を磨くことだけに専念できる。営業マンは社内政治に気を使わず、顧客との対話に集中すればいい。彼らはそのままで、自分の上司たちより高い報酬を得ることができるはずだ。自分の得意分野に専念することが自分にも会社にもプラスになる。
(p.61)
つまり、「キャリアを重ねても、必ずしも人材の価値が上がるとは言えない」ケースが増えているということだ。(p.79)
「自分たちは、会社に配属された部署で指示されたとおりのことをやってきた。その結果、気がついたら、社内では必要のない技術者になっていた。いったいどう責任を取ってくれるのか」この辺は非常に興味深い。どうリスクヘッジするか。
若い読者のなかには、このセリフを聞いて失笑する人間もいるかもしれない。そこまで会社におんぶにだっこな本人が悪いのだ、と。
だが、たいていのサラリーマンなら、自分のキャリア形成について、「自分の意思よりも会社のイニシアチブのほうが大きい」と感じる人のほうが多数派だろう。
(p.78)
格差否定論者の言い分でもっとも違和感をおぼえるのは、彼らが「同じ世代間の格差」には敏感に反応する割に、(団塊と団塊ジュニアなど)世代が異なる者同士なら、どんなに格差があろうとほとんど無視するという点だろう。(p.161)ふむ。