「Webキャンペーンのしかけ方」、読了
2007-04-09-2
[BookReview]
■渡辺 英輝、阿部 晶人、螺澤 裕次郎、 伊藤 直樹 / Webキャンペーンのしかけ方。 広告のプロたちがつくる“つぎのネット広告”
読了です (ref. [2007-04-06-3])。
某氏によれば、「クチコミの技術」[2007-03-30-3]は「白本」で、
本書は「黒本」だそうです。
(ref. http://blog.zikokeihatu.com/archives/001218.html)
ちょうど同時期に出て内容的にも非常に近い二冊です。
さて、本書は一貫して制作側、企画側からの視点になっています。
著者はこの道のプロ4名で、それぞれ一章ずつ担当する構成です。
彼らが関わってきたウェブキャンペーンの裏側、仕掛けを企画の
段階から説明してくれます。
本書を通して主張されているポイントをいくつか:
まずは、Webにこだわるな、ということ。
重要なのはキャンペーンを成功させることであって、
そのためのベストの手段を選ぶべきで、流行だからと安易にネット広告に
手を出しても意味がない。ネット広告の本なんですけど、
だからこそ最初の適所適材確認が重要ですね。
そして、クリエイティブ作業はふつうの広告と同じ、という話。
ネットの特性にあった展開は必要だけど、結局求められる表現や
アイディアは今までと変わらない。ネットにこだわりすぎると
アイデアの広がりを阻害するかも。
「技術」にこだわらず広い視野でやっていって欲しいです。
それから、コミュニケーションをデザインできているかという点。
ネットで展開するからにはこれが一番重要。ブログやSNSなどでの
つながりを積極的に。展開事例として「NIKE+」のWebキャンペーンの話。
ユーザ参加に頼り過ぎないように注意。
あと、Webコンテンツ制作にきちんと予算がさけるか、という点。
テレビCMなどでよく見かける「続きはWebで」について言及されている
箇所が多いです。テレビCMなどのマスばかりに力をそそぎずぎて、「続き」
のウェブが予算不足でしょぼい、というのが多くてもったいない、と。
媒体費とコンテンツ制作費の予算配分が肝。
以上、読書感想文でした。
「クチコミの技術」もそうでしたが、この分野は
「ちゃんと分かっている人たちがしっかり先導してるから安心!」
と思えました。期待しています。
読了です (ref. [2007-04-06-3])。
某氏によれば、「クチコミの技術」[2007-03-30-3]は「白本」で、
本書は「黒本」だそうです。
(ref. http://blog.zikokeihatu.com/archives/001218.html)
ちょうど同時期に出て内容的にも非常に近い二冊です。
さて、本書は一貫して制作側、企画側からの視点になっています。
著者はこの道のプロ4名で、それぞれ一章ずつ担当する構成です。
彼らが関わってきたウェブキャンペーンの裏側、仕掛けを企画の
段階から説明してくれます。
本書を通して主張されているポイントをいくつか:
まずは、Webにこだわるな、ということ。
重要なのはキャンペーンを成功させることであって、
そのためのベストの手段を選ぶべきで、流行だからと安易にネット広告に
手を出しても意味がない。ネット広告の本なんですけど、
だからこそ最初の適所適材確認が重要ですね。
そして、クリエイティブ作業はふつうの広告と同じ、という話。
ネットの特性にあった展開は必要だけど、結局求められる表現や
アイディアは今までと変わらない。ネットにこだわりすぎると
アイデアの広がりを阻害するかも。
では、チームに欲しいのは、どういうスタッフか。ふむうむ。
簡単に言えば、インターネットにハマりすぎていない人、である。
[...]
彼らは、確かにインターネット上で起こっているさまざまなことを
よく知っている。「○○のWebサイトが××で」「イギリスではこんな
コンテンツがつくられていて」と国内だけでなく海外のWebサイト事情に
まで精通していたりする。
だが、そこから、いいアイディアが出てくるかといえば、疑問が残る。
偏見かもしれないが、海外のキャンペーン事例の焼きなおしのような
アイディアが出てくることが多い気がする。 (p.55)
螺澤 日本はどうしても「この技術があるから、これでなにができるか」ですねえ。私は技術者なので「技術ありき」派ですが、企画系の人には
という考え方になりがちですよね。それはそれでおもしろいものができた
りもするんでしょうけど。まず技術ありきだったら、ぼくらプランナーと
してちゃんと仕事をしているのかな、なんて思ったりもします。 (p.229)
「技術」にこだわらず広い視野でやっていって欲しいです。
それから、コミュニケーションをデザインできているかという点。
ネットで展開するからにはこれが一番重要。ブログやSNSなどでの
つながりを積極的に。展開事例として「NIKE+」のWebキャンペーンの話。
ユーザ参加に頼り過ぎないように注意。
やみくもにユーザー参加型のコンテンツを制作したり、ユーザーからの
応募作品に頼ったコンテンツを企画したりするのは危険だ。
コミュニケーションプランニングがなされないままに、サービスの器だけを
つくるようなものだからである。ユーザー参加型といえば聞こえはいいが、
ユーザーに頼りきった企画は、じつはなにも企画していないに等しい。
(p.138)
あと、Webコンテンツ制作にきちんと予算がさけるか、という点。
テレビCMなどでよく見かける「続きはWebで」について言及されている
箇所が多いです。テレビCMなどのマスばかりに力をそそぎずぎて、「続き」
のウェブが予算不足でしょぼい、というのが多くてもったいない、と。
媒体費とコンテンツ制作費の予算配分が肝。
広告の中でWebはずっとオマケだった。テレビCMのつづき。広告では語りWeb万歳!
きれない部分を補う場所。ポスターのグラフィックをただ落とし込んだもの。
そういうWebが不遇の時代はとっくに終わった。テレビCMはやっぱり偉大だが、
Webもかなり偉大である。そのことをもっと知ってほしい。
インタラクディブ万歳! (p.173)
以上、読書感想文でした。
「クチコミの技術」もそうでしたが、この分野は
「ちゃんと分かっている人たちがしっかり先導してるから安心!」
と思えました。期待しています。
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