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残飯を食らう

2003-12-12-3 [Book]
辺見庸 / もの食う人びと / 角川文庫


食に関するルポルタージュです。もともとは共同配信の地方紙連載。
主に貧しい国へ行って現地のものを食べます。戦地や刑務所や炭鉱などに行って食べます。グルメとかそういうのとはまったく無縁です。
しょっぱなからインパクトありました (以下、食事前、食事中の人は読まない方がいいかも)。

バングラデシュの貧民街の食堂で食う。ものすごく安い。
実は残飯。ちょっとすっぱくなった飯。肉には歯形がついていた。
金持ちパーティーなどの残り物。なんと、残飯のマーケットがある。
卸売り、小売りもある。貧しい人向けの食堂はそこから仕入れる...。

あまりにも絶望的な格差。我々は食べ物に関して恵まれすぎている、との思いがますます強くなりました。この差を是正すべく、人類に打つ手はあるのか?革命だ!と、まあ、ありきたりな結論ですが。

...さてと節食するかな。

その他、興味深かった話:
  • 人を食べた日本兵@フィリピン
  • 猫缶工場@バンコク
  • 観覧車の食堂車@ウィーン
  • 塩入りコーヒー、バター・コーヒー@エチオピア

文庫版あとがきより:
細部、細部、細部! 細部こそが大事であり、細部の積み重ねでつまらぬ私の世界像など覆してしまってもいいのだと、旅の道々、何度自分にいい聞かせたことか。世界にはまだ記録も分類も登録も同情もされたことのない、今後も到底そうされそうもないミクロの悲しみが数限りなくあると確信しもした。
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