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村上春樹(文)、大橋歩(画) / 村上ラヂオ / 新潮文庫


ふむ Wiki の書籍:エッセイでも書きましたが、村上春樹は小説もいいんだけどやはり断然エッセイの方が好きです。
力の抜けた感じがなんとなくほっとします。あさましくなさげで、ほどよくひねくれてるの良いです。まあ、好みは人によりけりでしょうけど。

この本は anan の連載をまとめたもの。いつものエッセイよりもテーマがシンプルで、軽快な感じです。1時間もかからずにさくっと読めます。
洗濯機が止まるまでに読み終わりました。

音楽について:
音楽はたしかにシチュエーションというものが大事で、(略) ぴたっとはまった音楽が背後で流れていると、作業もはかどるし、労働意欲も湧いてくる。でもそんなことを言い出すと、何かをするたびにバックに流す音楽を選ばなくちゃならなくて、それはそれで大変かもしれない。「今日はロール・キャベツを作るんだけど、さーて、音楽は何をかけようか」なんて考えこんでいるうちにずるずると時間がたってしまいそうだ。
(p.64)
自分用に各シチュエーション向けの音楽をあらかじめ選んでおくのが良いかも。寝るときの音楽はだいたい決まっているんだけどね[2002-11-30-2]

ほめられることについて:
かなりの確信を持って思うんだけど、世の中で何がいちばん人を深く損なうかと言うと、それは見当違いな褒め方をされることだ。そういう褒め方をされて駄目になっていった人をたくさん見てきた。人間って他人に褒められると、それにこたえようとして無理をするものだから、そこで本来の自分を見失ってしまうケースが少なくない。
(p.189)
なるほど。ラ・ロシュフコー箴言集 [2003-10-29-4]の以下の言葉を思い出しました。
598 われわれは、お誉めに与ると、いやでも美徳を続けていかねばならないような気にさせられる
また、村上朝日堂 はいほー!では以下のようなことを書いてます。
見当違いのところで熱心にほめる人間は危険なタイプ。ほめられてるんだからいいやと思っていると、わけのわからないことで腹を立て始める。
(p.108)
ほめられる、って難しいですね。(ref. [2003-09-18-3])