たつをの ChangeLog : 2021-09-16



人間の本質は善か悪か。

「悪」であることを示す過去の実験について、怪しい点を指摘し、結論をくつがえす。
人間の悪をあばく実験が、善意によって誤った結果となる皮肉。
悪が前なる友情から生まれる恐ろしさ。
上巻は、なぜ人は「善」なのかという話と「スタンフォード監獄実験」などの実験批判。
下巻は、善から生まれる悪の話と、善意ベースの仕組みの事例など。

いろいろと頭をゆさぶられてエキサイティング。
読んでおくべき。

  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

    「人間への見方が新しく変わる」――ユヴァル・ノア・ハラリ(『サピエンス全史』著者)推薦!

    「希望に満ちた性善説の決定版!」――斎藤幸平(『人新世の「資本論」』著者)推薦!

    「邦訳が待ちきれない!2020年ベスト10洋書」WIRED日本版選出

    本国オランダでは発売忽ち25万部突破ベストセラーに。世界46カ国での翻訳が決定。

    近現代の社会思想は、”性悪説”で動いてきた。だが、これらは本当か。

    ×ホッブズいわく「万人の万人に対する闘争」
    ×アダム・スミスによると、人は損得勘定で動くホモエコノミクス
    ×ダーウィンが唱えた、自然淘汰説
    ×ドーキンスは『利己的な遺伝子』を執筆
    ×少年たちのいじめ本性を描いた『蠅の王』がノーベル文学賞

    著者は、この暗い人間観を裏付ける心理学や人類学の定説の真偽を確かめるべく
    世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、エビデンスを集めたところ意外な結果に。

    ?スタンフォード大の囚人実験(普通の人間は邪悪になれる)
    ?ミルグラムの電気ショック実験(アイヒマン実験は)
    ?イースター島絶滅は人間のエゴ説(ジャレド・ダイアモンド) 

    善人が悪人になってしまう理由とは。なぜ人類は生き残れたのか。
    これから生き延びるためにどうすればよいかが書かれた「希望の書」。
  • Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章
目次
序章   第二次世界大戦下、人々はどう行動したか
第1章  あたらしい現実主義
1 「ほとんどの人は、本質的にかなり善良だ」
2 プラセボ効果とノセボ効果
3 西洋思想を貫く暗い人間観──なぜ人間を悪者と考えるのか
4 人間の善性を擁護する人に起きる3つのこと
第2章  本当の「蠅の王」
1 少年たちの残虐さを描きノーベル文学賞に
2 実際に無人島に取り残された少年たちを探して
3 少年たちを助けた船長の証言
4 火を打ち、鶏舎、菜園、ジムもつくった
5 物語が持つ危険な側面
───Part 1 自然の状態 ホッブズの性悪説 vs ルソーの性善説───
第3章  ホモ・パピーの台頭
1 ダーウィンの進化論、ドーキンスの利己的な遺伝子
2 ネアンデルタール人が絶滅した理由
3 キツネからイヌをつくり出せるか
4 賢いキツネが欲しいのなら
5 ホモ・サピエンスが生き残ったのはなぜか
第4章  マーシャル大佐と銃を撃たない兵士たち
1 「愛情ホルモン」オキシトシンの影響は限定的
2 人類の祖先は、常習的な殺人者だったか
3 「誰もが誰かを撃ち損なった」
4 ベストセラー本には書かれていない「科学の真実」
第5章  文明の呪い
1 いつから人類は戦争を始めたのか
2 支配者なしでも神殿や都市が築かれた
3 定住、私有財産、戦争、権力、リーダー
4 農耕文明は休みを奪い、女性に重い負担を課した
5 最初に生まれた国家は、奴隷国家
6 長い間、文明は災いだった
第6章  イースター島の謎
1 巨大なモアイ像をいかにして立てたのか
2 「絶滅する未来」という教訓
3 ジャレド・ダイアモンドの誤り
4 災厄をもたらしたのはヨーロッパ人だった
5 奴隷商人とウイルスに滅ぼされた
───Part 2 アウシュヴィッツ以降───
第7章 「スタンフォード監獄実験」は本当か
1 スタンフォード大学の地下室にて
2 子どもを対立させたい実験者
3 「あの人たちは、子どものことを完全に誤解している」
4 操作されていた看守役たち
5 BBCが再現実験を行うも
第8章 「ミルグラムの電気ショック実験」は本当か
1 「六五パーセントが感電死レベルの電圧を与えた」
2 〝映像監督〟ミルグラム
3 それでもスイッチを押し続けた人をどう説明するか
4 アイヒマン「悪の陳腐さ」は本当か
5 ナチスからユダヤ人を守ったデンマークの奇跡
第9章  キティの死
1 「殺人を目撃した三七人は警察を呼ばなかった」
2 傍観者効果
3 アムステルダムの運河で起きた救出劇
4 九〇パーセントの確率で、人は人を助ける
5 ジャーナリズムによる歪曲
───Part 3 善人が悪人になる理由───
第 10 章  共感はいかにして人の目を塞ぐか
1 ナチスの心理の謎を解く
2 史上最悪の虐殺へ駆り立てたのは友情だった
3 幼児と道徳観──ベビー・ラボの実験
4 身近な人に共感する
5 戦争に勝つ方法
第 11 章  権力はいかにして腐敗するか
1 現代に生きるマキャヴェッリ『君主論』
2 権力が神を生んだ
3 独裁、社会主義、共産主義、民主主義に共通
第 12 章  啓蒙主義が取り違えたもの
1 史上最大の過ちへの抗争
2 利己性にもとづく社会をつくる
───Part 4 新たなリアリズム───
1 疑う意思 vs 信じる意思
2 ピグマリオン効果
3 多元的無知
第 13 章  内なるモチベーションの力
1 在宅ケア組織の成功
2 テイラーの経営哲学
3 金銭的インセンティブはモチベーションを下げる
4 マネージメントをしないマネージャー
5 資本主義も共産主義もない──「そうしたいからする」
第 14 章  ホモ・ルーデンス
1 子どもから自由と遊びが奪われている
2 教育システムの出現
3 ルールや安全規則のない公園
4 クラス分け、教室、宿題、成績のない学校
第 15 章  民主主義は、こんなふうに見える
1 当選したら権力を住民に譲り渡す
2 7つの治療薬
3 コモンズ(共有財産)
4 コモンズ研究で女性初のノーベル経済学賞
5 楽観主義でも悲観主義でもない、可能主義
6 アラスカで行われた永久基金配当金
───Part 5 もう一方の頰を───
第 16 章  テロリストとお茶を飲む
1 リゾートみたいな刑務所
2 未来の刑務所はなぜアメリカで頓挫したか
3 「割れ窓理論」は本当か
4 それは人種差別へと結びついた
5 ノルウェーの刑務所に学ぶ
第 17 章  憎しみ、不正、偏見を防ぐ最善策
1 双子の兄弟の物語
2 南アの民主主義誕生を支える
3 偏見を防ぐにはどうすべきか
4 武器を置く──「勝者はいない」
5 マンデラ・アプローチの成功
6 アイデンティティを持ち、交流する
第 18 章  兵士が塹壕から出るとき
1 一九一四年、クリスマス
2 英兵と独兵が聖歌を贈り合う
3 ゲリラに武器を捨てさせた広告企業
4 優しさの伝染を
エピローグ 人生の指針とすべき 10 のルール
1 疑いを抱いた時には、最善を想定しよう
2 ウィン・ウィンのシナリオで考えよう
3 もっとたくさん質問しよう
4 共感を抑え、思いやりの心を育てよう
5 他人を理解するように努めよう。たとえその人に同意できなくても
6 他の人々が自らを愛するように、あなたも自らを愛そう
7 ニュースを避けよう
8 ナチスを叩かない
9 クローゼットから出よう。善行を恥じてはならない
10 現実主義になろう


目次と読書メモ。
  • ───
    • 序章   第二次世界大戦下、人々はどう行動したか
      『群衆心理』では、人間は危機においては本性をあらわしパニックになると。
      しかし、ロンドン大空襲では一般大衆は勇敢さ、ユーモア、寛大さを保ち続けた。
      これが人間の特質である。
    • 第1章  あたらしい現実主義
      • 1 「ほとんどの人は、本質的にかなり善良だ」
        「ベニヤ説」人間は本質的に利己的で攻撃的ですぐにパニックを起こす。
        薄いベニヤ板のようなもの。
        2005年ハリケーンカトリーナ、ニューオーリンズ、問題なし。
        災害時にはむしろ大規模な混乱は起きない。
      • 2 プラセボ効果とノセボ効果
        「ノセボ効果」ネガティブな想像がそれを引き起こす。
        人間に対する否定的な厳しい見方はノセボの産物。
      • 3 西洋思想を貫く暗い人間観──なぜ人間を悪者と考えるのか
        「ミーン・ワールド・シンドローム」マスメディアの暴力的なコンテンツにさらされて世界を実際より危険だと信じてしまう。
        「ネガティブ・バイアス」良いことよりも悪いことに敏感。
        「アベイラビリティー・バイアス」手に入りやすい情報だけで意思決定する傾向。
      • 4 人間の善性を擁護する人に起きる3つのこと
    • 第2章  本当の「蠅の王」
      • 1 少年たちの残虐さを描きノーベル文学賞に
        ゴールディング『蝿の王』
      • 2 実際に無人島に取り残された少年たちを探して
      • 3 少年たちを助けた船長の証言
      • 4 火を打ち、鶏舎、菜園、ジムもつくった
      • 5 物語が持つ危険な側面
        ”ゴールディングにその自覚はないが、メディア史の研究者は彼を、現代のテレビで最も人気のあるジャンルの創始者と考えている。それはリアリティ番組だ。”
        ”噓をつく、 騙す、挑発する、敵対する、といった行動こそが「現実的に振る舞う」ことだと、各エピソードはわたしたちに信じさせる。しかし、このような番組の舞台裏をじっくり調べてみると、驚くような方法で、出演者たちがけしかけられ、挑発され、互いと争うように導かれていることがわかる。それが語るのは、人間の最悪の部分を引き出すには、いかに多くの小細工が必要か、ということだ。”
        ”英国で行われた別の研究により、リアリティ番組を多く見る少女は、いじわると噓をつくことは人生で成功するために必要だ、と答えがちであることがわかった”
  • ───Part 1 自然の状態 ホッブズの性悪説 vs ルソーの性善説───
    ”選ぶべきは、厳しい処罰か、手厚い福祉か。少年感化院か、芸術学校か。トップダウンの経営か、権限を持つチームか。一家の稼ぎ手としての父親か、育児に熱心なパパか。あなたが思いつくほぼすべての議論が、元をたどればホッブズとルソーの対立にさかのぼる。”
    • 第3章  ホモ・パピーの台頭
      • 1 ダーウィンの進化論、ドーキンスの利己的な遺伝子
        人間は動物の中で唯一「赤面」する種なのか。
      • 2 ネアンデルタール人が絶滅した理由
        ホモ・サピエンスによる民族浄化が原因? 否
      • 3 キツネからイヌをつくり出せるか
        人間を怖がらいない個体だけ交配させれば野生動物を飼いならすことができる。
        人間は飼いなららされた類人猿である。(by ドミトリー・ベリャニーコフ)
        フレンドリーな人ほど生き残りやすい。
      • 4 賢いキツネが欲しいのなら
        知性は人懐っこさの副産物。
      • 5 ホモ・サピエンスが生き残ったのはなぜか
        赤面は社会的な感情表現。他人の考えを気にかけていることを示す。信頼、協力が可能に。
        #自分自身を家畜化、ペット化。
    • 第4章  マーシャル大佐と銃を撃たない兵士たち
      • 1 「愛情ホルモン」オキシトシンの影響は限定的
        自分によく似ている人により強い親近感。
        オキシトシン。友人に対する愛情を高めるが、見知らぬ人への嫌悪を強める。身内びいきの源。空から散布するのはよくない。
      • 2 人類の祖先は、常習的な殺人者だったか
      • 3 「誰もが誰かを撃ち損なった」
        戦場の兵士、敵を殺そうとしない。撃ちたくない。
      • 4 ベストセラー本には書かれていない「科学の真実」
        ボノボも自らを家畜化した。
    • 第5章  文明の呪い
      • 1 いつから人類は戦争を始めたのか
      • 2 支配者なしでも神殿や都市が築かれた
      • 3 定住、私有財産、戦争、権力、リーダー
      • 4 農耕文明は休みを奪い、女性に重い負担を課した
      • 5 最初に生まれた国家は、奴隷国家
      • 6 長い間、文明は災いだった
        ”彼(*トマス・ホッブス)は祖先たちの生活と時代を、「不潔で、野蛮で、短い」と特徴づけた。しかし、正しくは「友好的で、平和で、健康だった」と言うべきだろ。”
        ”ルソーの言葉、「人間は生まれながらにして自由である。しかし、いたるところで鎖につながれている」はまさに真実だった”
    • 第6章  イースター島の謎
      • 1 巨大なモアイ像をいかにして立てたのか
      • 2 「絶滅する未来」という教訓
      • 3 ジャレド・ダイアモンドの誤り
        ジャレド・ダイアモンド『文明崩壊』批判。
        ”これは、誇大妄想にとりつかれた支配者が思いついた、自らの威信を守るための事業ではなく、人々を結びつけるために皆で行う儀式だったのだ。”
      • 4 災厄をもたらしたのはヨーロッパ人だった
        ヘイエルダール、デマの元ネタ。
      • 5 奴隷商人とウイルスに滅ぼされた
  • ───Part 2 アウシュヴィッツ以降───
    人間は本質的に優しい → ならばアウシュヴィッツをどう説明するのか。
    • 第7章 「スタンフォード監獄実験」は本当か
      • 1 スタンフォード大学の地下室にて
      • 2 子どもを対立させたい実験者
      • 3 「あの人たちは、子どものことを完全に誤解している」
      • 4 操作されていた看守役たち
        ”ジンバルドが行った実験は、疑わしいだけではない。 捏造だったのだ。”
      • 5 BBCが再現実験を行うも
    • 第8章 「ミルグラムの電気ショック実験」は本当か
      • 1 「六五パーセントが感電死レベルの電圧を与えた」
      • 2 〝映像監督〟ミルグラム
      • 3 それでもスイッチを押し続けた人をどう説明するか
        実験に協力したいという善意。
        ”悪は心の深みに潜んでいるので、引き出すには、相当な労力が要る。そして、ここが肝心なのだが、悪事を行わせるには、それを善行であるかのように偽装しなければならない。”
      • 4 アイヒマン「悪の陳腐さ」は本当か
        ”ミルグラムの被験者と同じく、自分は善を行っていると確信していたので、悪を行ったのだ。”
      • 5 ナチスからユダヤ人を守ったデンマークの奇跡
    • 第9章  キティの死
      • 1 「殺人を目撃した三七人は警察を呼ばなかった」
      • 2 傍観者効果
      • 3 アムステルダムの運河で起きた救出劇
      • 4 九〇パーセントの確率で、人は人を助ける
      • 5 ジャーナリズムによる歪曲
        ”キティのことを単なる酔っ払いだと思っていたことを突き止めた。”
        ”ニューヨーク・タイムズ紙の記者に、なぜこの情報を記事に載せなかったのかと尋ねたところ、「そんなことをしたら話が台無しになる」と記者は答えた。”
  • ───Part 3 善人が悪人になる理由───
    • 第 10 章  共感はいかにして人の目を塞ぐか
      • 1 ナチスの心理の謎を解く
        ”つまり彼らが戦い続けたのは、ナチスの基本思想である「千年帝国」や「血と土」のためではなく、戦友を救うためだったのだ。”
        ”イギリスの兵士が民主主義のルールに力づけられなかったのと同様に、アメリカの兵士は、愛国精神ゆえに奮いたったのではなかった。彼らが戦ったのは、国のためというより、仲間のためだった”
      • 2 史上最悪の虐殺へ駆り立てたのは友情だった
        ”第二次世界大戦は 勇壮 な戦いであり、友情と忠誠心と団結、すなわち人間の最善の性質が、何百万という普通の男たちを、史上最悪の虐殺へと駆り立てたのだ。”
        ”「テロリストは大義のためだけに人を殺したり死んだりするわけではない」とあるアメリカの人類学者は記している。「彼らは互いのために、人を殺し、自ら死ぬのだ”
        ”わたしたちが理解しなければならないのは、こうしたテロリストの大多数は、熱狂的イスラム教徒ではなかったということだ。彼らは互いの親友だった。”
      • 3 幼児と道徳観──ベビー・ラボの実験
        ”「何度も目の当たりにしたのは、乳児は、親切だが自分と好みが違う人形より、意地悪でも自分と同じ好みの人形を選ぶということです”
      • 4 身近な人に共感する
        ”共感は、世界を照らす情け深い太陽ではない。それはスポットライトだ。サーチライトなのだ。共感は、あなたの人生に関わりのある特定の人や集団だけに光をあてる。そして、あなたは、その光に照らされた人や集団の感情を吸いとるのに忙しくなり、世界の他の部分が見えなくなる。”
        ”むしろ、共感はわたしたちの寛大さを損なう。なぜなら、犠牲者に共感するほど、敵をひとまとめに「敵」と見なすようになるからだ”
      • 5 戦争に勝つ方法
        ”古来、戦争に勝つ方法は、遠くからできるだけ多くの人間を攻撃することだった”
    • 第 11 章  権力はいかにして腐敗するか
      • 1 現代に生きるマキャヴェッリ『君主論』
        ”医学用語ではそれを「後天的社会病質者(後天的ソシオパス)」と呼ぶ。”
        ”つまり彼らは赤面しないのだ。”
        ”権力者はあまりミラーリングをしない。”
      • 2 権力が神を生んだ
      • 3 独裁、社会主義、共産主義、民主主義に共通
    • 第 12 章  啓蒙主義が取り違えたもの
      • 1 史上最大の過ちへの抗争
      • 2 利己性にもとづく社会をつくる
        ”学校や企業、都市や国家が、最悪な人間ではなく、最良の人間を想定したら、どうなるだろう。本書の残りの部分では、これらの問いに焦点を絞る。”
  • ───Part 4 新たなリアリズム───
    • 1 疑う意思 vs 信じる意思
    • 2 ピグマリオン効果
    • 3 多元的無知
      • 第 13 章  内なるモチベーションの力
    • 1 在宅ケア組織の成功
    • 2 テイラーの経営哲学
    • 3 金銭的インセンティブはモチベーションを下げる
      ”彼は学生の被験者に、パズルを解くというタスクを与えた。しかし、報酬として一ドルを与えると、とたんに彼らはやる気をなくした。”
      ”理由ははっきりしていた。親たちは遅刻のたびに支払うお金を、罰金ではなく追加料金と解釈し、子どもを時間内に引き取る義務から解放されたのだ”
      ”時給で働く弁護士とコンサルタントは、働いていない時間にも値段をつけることを示した。その結果は? 彼らは、ボランティアの仕事をやりたがらなかった”
    • 4 マネージメントをしないマネージャー
      「ものごとを難しくするのは簡単だが、ものごとを簡単にするのは難しい」
    • 5 資本主義も共産主義もない──「そうしたいからする」
      • 第 14 章  ホモ・ルーデンス
    • 1 子どもから自由と遊びが奪われている
    • 2 教育システムの出現
    • 3 ルールや安全規則のない公園
    • 4 クラス分け、教室、宿題、成績のない学校
      • 第 15 章  民主主義は、こんなふうに見える
    • 1 当選したら権力を住民に譲り渡す
    • 2 7つの治療薬
    • 3 コモンズ(共有財産)
    • 4 コモンズ研究で女性初のノーベル経済学賞
    • 5 楽観主義でも悲観主義でもない、可能主義
    • 6 アラスカで行われた永久基金配当金
  • ───Part 5 もう一方の頰を───
    • 第 16 章  テロリストとお茶を飲む
      • 1 リゾートみたいな刑務所
      • 2 未来の刑務所はなぜアメリカで頓挫したか
      • 3 「割れ窓理論」は本当か
        マルコム・グラッドウェル『ティッピング・ポイント』
      • 4 それは人種差別へと結びついた
        割れ窓は修理すべきだが、割れ窓理論の実践での取締りが良くない。
      • 5 ノルウェーの刑務所に学ぶ
    • 第 17 章  憎しみ、不正、偏見を防ぐ最善策
      • 1 双子の兄弟の物語
      • 2 南アの民主主義誕生を支える
      • 3 偏見を防ぐにはどうすべきか
      • 4 武器を置く──「勝者はいない」
      • 5 マンデラ・アプローチの成功
      • 6 アイデンティティを持ち、交流する
        ”マーク・トウェインは一八六七年にはすでにそれを理解し、こう述べている。「旅行は偏見と頑迷さと狭量さを打ち砕く」”
    • 第 18 章  兵士が塹壕から出るとき
      • 1 一九一四年、クリスマス
      • 2 英兵と独兵が聖歌を贈り合う
      • 3 ゲリラに武器を捨てさせた広告企業
      • 4 優しさの伝染を
        ”優しさの伝染力”
        ”戦時中でも、平和の氷山は隙あらば浮上しようとする。その氷山を海面下に押し戻すために、司令官、政治家、主戦論者は、フェイクニュースから力ずくまで、あらゆる手段を用いる。人間は戦争をするようにはできていないのだ。”
  • エピローグ 人生の指針とすべき 10 のルール
    • 1 疑いを抱いた時には、最善を想定しよう
    • 2 ウィン・ウィンのシナリオで考えよう
    • 3 もっとたくさん質問しよう
    • 4 共感を抑え、思いやりの心を育てよう
    • 5 他人を理解するように努めよう。たとえその人に同意できなくても
    • 6 他の人々が自らを愛するように、あなたも自らを愛そう
    • 7 ニュースを避けよう
    • 8 ナチスを叩かない
    • 9 クローゼットから出よう。善行を恥じてはならない
    • 10 現実主義になろう

追記


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