都によると、都が発表している1日あたりの感染者数は、前日午前9時の締め切り以降、当日午前9時までに都にファクスで報告された人数だ。
都内での感染者数が最初のピークを迎えた4月は締め切りは正午ごろだった。だが、都が指標の公表を始めた5月半ばに午前9時に前倒ししたという。
こうしたやりとりを重ねた末、年代別の人数や感染経路などと合わせて、午後7時~8時ごろ、その日の感染者の内訳が公表される。昼や午後に全体の感染者数のみがテレビやネットの速報で流れるのは、朝日新聞を含めて先に固まった感染者数を取材している報道機関があるためだ。
ただ、都の担当者は、実際に検査で陽性と判明した日から都の公表までに「3日ほどかかる」と認める。その理由はアナログな集計方法にある。感染がわかると、まず医師が患者の情報を記した発生届を作成する。それを各医療機関が管轄の保健所にファクスで送信する。受け取った保健所は、記載に不備がないか確認した上で、誤送信の可能性に備えて、個人情報を黒塗りにするなどして都にファクスで転送する。医師、保健所、都でそれぞれ作業が生じ、これまでの都の経験則から、検査結果の判明日から都が公表するまでにおおむね3日かかる傾向にあるという。