たつをの ChangeLog : 2020-01-06

とてもわかりやすい解説論文。
トラッキングまわりの概略が把握できた。
ビッグデータやAIでどんな些細な情報でも個人と紐付けできるようになりつつある昨今、いろいろと難しい問題。

オンライン広告におけるトラッキングの現状とその法的考察 (論文)

書誌情報:
  • 若江雅子, 森亮二, 吉井英樹
  • "オンライン広告におけるトラッキングの現状とその法的考察 -- ビッグデータ時代のプライバシー問題にどう対応すべきか"
  • 総務省 学術雑誌『情報通信政策研究』 第2巻 第2号 (2019.2)

「要旨」の概要:
  • 従来: 顧客から利用履歴を直接取得して閲覧画面に広告
  • 近年: 利用履歴を顧客から直接取得しなくても同様の広告 (クッキーや広告IDなどブラウザや端末の識別子に紐付いた情報を使用)
  • 個人情報保護法では後者は規制範囲外
  • 後者は広告事業者間で共有すると個人情報に変わりうる
  • このような問題について明確な整理がされないので論じる

キーワード:
  • アドネットワーク
  • オーディエンスデータ
    • ユーザーの閲覧履歴や購買履歴、デモグラ情報(性別、年齢、居住地域、所得、職業、家族構成など)など
  • データエクスチェンジ/DMP(Data Management Platform)
    • ユーザーのデータを事業者間で交換
  • サードパーティクッキー
    • ピギーバック: 一つの広告の中にまたJSがあって複数のサイトへアクセスさせられる
    • クッキーシンク: それぞれの事業者が管理しているクッキーを同期。これによりユーザデータを拡大
  • ソーシャルプラグイン (FB の「いいね!ボタン」など)
  • DMP事業者
    • インティメート・マージャー、トレジャーデータ、など
  • GDPR
    • EU、General Data Protection Rules(一般データ保護規則)
  • e Privacy Regulation
    • EU、サードパーティクッキー等の情報処理に事前同意義務付け、オプトアウトは認めず、違反すれば制裁金
  • 提供先基準説/提供元基準説
    • 情報提供の基準。前者は提供先で、後者は提供元で、個人識別性がなければOK。
    • 後者が通説だが、「提供元では個人識別性がないが提供先ではある」ケースで意見わかれる

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