たつをの ChangeLog : 2019-05-18

本書は、「文春オンラインというウェブ上の連載をまとめて修正・加筆した」ものです。連載時の記事は私もオンタイムで読んでいました。半年前や下手すれば2,3週間前ですら懐かしさを感じてしまうネット界隈脳な私ですが、書籍化されたものを読んであまり古さを感じないのは、たぶん(主にネット界隈の)時事ネタが少なくなってるからでしょうね。かなりの加筆修正を感じますし、新鮮味すら感じます。

しみじみするポイントがたくさんある本です。著者の考え方すべてに賛同できるわけではないですがいろいろと刺さります。アラフォー、アラフィフ男性が連載の読者層のほとんどだとのことですが、まさに私もそうだし、そういう人たちに勧めたいですね。届くべきところに届く、ということで落ち着くかと。自然の摂理ですかね。

山本一郎 / ズレずに生き抜く 仕事も結婚も人生も、パフォーマンスを上げる自己改革

「あるある」「上層部に読ませたい」「励まされた」など30代、40代の共感の声多数。
うまくいかない、おかしい、腹が立つ。仕事、会社、人生、社会でズレているのは自分?それとも…。
文春オンラインの人気著者による、時代と自分のズレを 認識し希望に変えるための必読書!

電子書籍版前書き。読み物の媒体の変遷や読者層や市場細分化やリテラシーやそういう話。世の中は劇的に変わってるんだろうけど、見える範囲でしか分からない。分断はどんどん進んでくんだろうけど、とりあえず生き残り続けるしかないか。あと、ふと「財布へのインフルエンサー」というフレーズが頭に浮かんだが、ただそれだけ。

しみじみポイントの例。
世の中には、何かを達成するモチベーションとして「何かが足りておらず、絶望する」というコンプレックスから入る人が少なくありません。これを見ていると結局は「なりたい自分」はあるけど「そうでない自分」を受け入れていく、その過程そのものが人生、ということなのかなあと感じるのです。
中年になると、縦軸に「得意か、不得意か」を、横軸に「好きか、嫌いか」を置いて、仕事でも趣味でもマトリックスができるようになっていって、自然と得意で好きなこと以外しなくなっていくのです。金を使うのも時間をかけるのも限られた、おっさんという状況の中で最大限の効率を求めなければならないのは、削られゆくプライベートの時間です。
そういう「しなくてもいいことをしない」ことが一番大事なんじゃないかと考え至りました。

目次:
  • 【第1章】 仕事観のズレ
    • 部下がついてこない人の「失敗の本質」
    • 勉強する力が求められ、必要とされている時代に
    • どうすればベテランとうまく仕事ができるのか?
    • 頭のいい人たちが集まっているはずの組織がやる、馬鹿なこと
  • 【第2章】 人生観のズレ
    • 休むのが下手で、頑張れば上手くいくと思い込み過ぎ
    • 「我慢する」より「好きなことだけしてる」人生の価値
    • この時代「人生のデザイン」なんて、できるのか
  • 【第3章】 企業観のズレ
    • 若者に、いまの年寄りの人生アドバイスは役に立たない
    • 裁量労働制でも変わらない日本の封建的労働環境
    • 「ダイバーシティ」の世の中で通用しない組織論
    • 「人工知能が採用面接で人間を見抜く時代」の欺瞞と憂鬱
    • ベンチャー企業の落日から長期経営について考える
  • 【第4章】 世代観のズレ
    • 高齢化問題は、実は「30代と40代の問題」
    • 無かったことにされる「男の育児」と「高齢者問題」
    • 育児に労働に疲れ果てる女性と、所得が低いと馬鹿にされる男性
    • 通勤ラッシュの赤ちゃん「日本は育児に冷たい」の妥当性
  • 【第5章】 結婚観のズレ
    • 契約結婚サイトに見る修羅と煉獄
    • 「絶対に成功しない婚活」×「必ず結果を出す正しい努力」
    • 「わたし、肉食だから」と自称する女の人について
  • 【第6章】 時代観のズレ
    • この時代の新しい被差別階級「おっさん」
    • 「社会的に許されること」の許容量が減っている
    • オタクがオタクでなくなるとき
    • 無い才能の、見切り方

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