漁獲量激減、生態はほぼ不明。絶滅間近とも囁かれる、天然クロマグロ争奪戦に見えた一筋の光明。それがクロマグロの産卵と成長のサイクルを人工的に管理する「完全養殖」だ。自らを魚飼いとよぶ熊井英水所長(当時)率いる近畿大学水産研究所の研究チームが、建学の精神そのままに実学を極め、最高難度の養殖技術を確立するまでの苦闘の日々に迫る。